第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶり3度目の世界一に輝いた日本代表の栗山英樹監督が27日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を行なった。
2月の宮崎合宿から紆余曲折を経て、14年ぶりの世界一奪還という目標を達成した61歳の指揮官は、日の丸を背負って戦った重圧について「“勝たなければいけない”ということが全然違う。最後は選手を信じるしかなかった」と計り知れないプレッシャーだったと振り返った。
同監督は「人生の中であんなに追い込まれることは今後ないと思う。選手たちは本当に頑張って、よく勝ち切ってくれた」と世界一を掴んだ30人の侍戦士、無念の代表を離脱した鈴木誠也(シカゴ・カブス)と栗林良吏(広島)に感謝を述べた。
会見のなかで、今大会を通して感じた課題について問われると、「NPBの皆さんにはきちんと報告書というか、話をしていきます」としたうえで、「このままじゃ、メジャーリーガーが出にくいのは事実」と言及した。
栗山監督はメジャーリーガーの中で唯一、2月の宮崎合宿から合流したダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)を例に挙げ、「普通に考えると、あの球数で試合に出すことはあり得ない」と強調した。
続けて指揮官は、「一切試合に出られず、練習試合1試合だけ中日がやってくれましたけど、いきなり韓国戦にいかないといけない。本当に最後(彼に)謝りましたけど、調整がきかなくて、調子が上がらない状況だったのは間違いないです」とダルビッシュのコンディションを説明した。
メジャーリーグとの規定で、ダルビッシュを含めた大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)やラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)などのメジャー組は、本番以外の調整試合には、3月6日の阪神戦と、7日のオリックス戦の2試合しか出場できなかった。
栗山監督は「本当に『ダル、ごめんな』って謝りましたけど。そういうことがあると、メジャーリーガーは本当に参加しにくい。そういうことは徹底的にMLBにお願いしてもらう事は伝えました」と振り返った。
さらに、指揮官の思いの丈は熱を帯びる。「今の形だとアメリカに行ってる選手がWBCに参加しにくくなる。もしくはギリギリまで向こうで試合に出て一発勝負で集まる形しかなくなる。それは日本のファンにとって面白くない事だと思う」と言及。野球界の将来のために、今後の改善点を訴えた。
最後に、「表には出せないけど、保険のこととか色んなことがあったので」と前置きしたうえで、「徹底的にやり合いましたけど、それはファンの皆さんに伝える必要のないこと。裏でしっかりやらないといけないこともあるので、僕が感じた事はしっかり言っていきます」と侍ジャパンを14年ぶりの世界一に導いた指揮官は次回大会以降のWBCのため、今後の野球界のさらなる発展に向けて力を込めた。
世界の頂点に立った今もなお、栗山監督は未来を担う野球人のために身を粉にして邁進する。指揮官が呈した苦言には、そんな決意が感じられた。
構成●THE DIGEST編集部
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2月の宮崎合宿から紆余曲折を経て、14年ぶりの世界一奪還という目標を達成した61歳の指揮官は、日の丸を背負って戦った重圧について「“勝たなければいけない”ということが全然違う。最後は選手を信じるしかなかった」と計り知れないプレッシャーだったと振り返った。
同監督は「人生の中であんなに追い込まれることは今後ないと思う。選手たちは本当に頑張って、よく勝ち切ってくれた」と世界一を掴んだ30人の侍戦士、無念の代表を離脱した鈴木誠也(シカゴ・カブス)と栗林良吏(広島)に感謝を述べた。
会見のなかで、今大会を通して感じた課題について問われると、「NPBの皆さんにはきちんと報告書というか、話をしていきます」としたうえで、「このままじゃ、メジャーリーガーが出にくいのは事実」と言及した。
栗山監督はメジャーリーガーの中で唯一、2月の宮崎合宿から合流したダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)を例に挙げ、「普通に考えると、あの球数で試合に出すことはあり得ない」と強調した。
続けて指揮官は、「一切試合に出られず、練習試合1試合だけ中日がやってくれましたけど、いきなり韓国戦にいかないといけない。本当に最後(彼に)謝りましたけど、調整がきかなくて、調子が上がらない状況だったのは間違いないです」とダルビッシュのコンディションを説明した。
メジャーリーグとの規定で、ダルビッシュを含めた大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)やラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)などのメジャー組は、本番以外の調整試合には、3月6日の阪神戦と、7日のオリックス戦の2試合しか出場できなかった。
栗山監督は「本当に『ダル、ごめんな』って謝りましたけど。そういうことがあると、メジャーリーガーは本当に参加しにくい。そういうことは徹底的にMLBにお願いしてもらう事は伝えました」と振り返った。
さらに、指揮官の思いの丈は熱を帯びる。「今の形だとアメリカに行ってる選手がWBCに参加しにくくなる。もしくはギリギリまで向こうで試合に出て一発勝負で集まる形しかなくなる。それは日本のファンにとって面白くない事だと思う」と言及。野球界の将来のために、今後の改善点を訴えた。
最後に、「表には出せないけど、保険のこととか色んなことがあったので」と前置きしたうえで、「徹底的にやり合いましたけど、それはファンの皆さんに伝える必要のないこと。裏でしっかりやらないといけないこともあるので、僕が感じた事はしっかり言っていきます」と侍ジャパンを14年ぶりの世界一に導いた指揮官は次回大会以降のWBCのため、今後の野球界のさらなる発展に向けて力を込めた。
世界の頂点に立った今もなお、栗山監督は未来を担う野球人のために身を粉にして邁進する。指揮官が呈した苦言には、そんな決意が感じられた。
構成●THE DIGEST編集部
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