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「交換要員の質はマチャド以上ソト未満」「移籍先はドジャース、パドレス、メッツ」大谷途中放出の“シナリオ”を探る<SLUGGER>

マーク・ファインサンド

2023.06.26

現在は健闘しているが、エンジェルスがプレーオフ争いから脱落すれば大谷の移籍話はヒートアップするに違いない。(C)Getty Images

 今夏のトレード・デッドラインで言及される選手の中で、大谷翔平(エンジェルス)ほど大きなインパクトを与える存在はいない。

 現在、エンジェルスは2014年以来のプレーオフ進出を目指して戦っており、実際に大谷を放出するかどうかは不透明だ。プレーオフ出場のチャンスが少しでもあれば、大谷をトレードしない可能性が極めて高い。
 
 だが、もし7月に急失速してプレーオフ争いから脱落したらどうなるだろう? 大谷は球界で最も魅力的で高価なトレード候補
となる。エンジェルスのペリー・ミナシアンGMにとっては、MLB.comで全30球団中28位と評価されたファームシステムを再充実化させる願ってもないチャンスだ。

「もしエンジェルスにプレーオフ進出のチャンスがあれば、(マイク・)トラウトは言うまでもなく、ファンに対する責任としてデッドラインで補強に動くはずだ」と某ア・リーグ球団の幹部は言う。「だが、もしプレーオフ争いから脱落したら、今度は逆に大谷を放出しないわけにはいかない。レンタル選手で大きな見返りを得られる機会はあまりないからね」

 大谷は今シーズン終了後にFAとなる。従って、獲得側のチームは彼を2~3ヵ月間しか保有できない。その後は、稀代の二刀流スーパースターをめぐって凄まじい争奪戦が展開されるだろう。大谷が総額5億ドルを超える超大型契約を手にすることはまず間違いない。
 では、2021年のMVPをトレードで獲得するためのコストはどれほどのものなのだろうか? ほとんどのレンタル選手はトップ・プロスペクト1人か、ミッドレベルのマイナーリーガー3~5人が相場だ。

 18年7月、ドジャースは5人の若手選手と交換でオリオールズからマニー・マチャド(現パドレス)を獲得した。交換要員となった5人のうち、球界トップ100のプロスペクトとされていたのは1人だけで、2人はドジャース内のトップ30に何とか入っていた程度、2人はまったく無名の存在だった。
 
 では、大谷の"相場"はどうなるのだろうか?
 
「3ヵ月だけのレンタルとはいえ、強打者とエースを同時に獲得するようなものだ」とナ・リーグ球団の幹部は大谷について言う。「それだけに、彼を獲得するためには余分に支払う必要がある」

 昨年夏、スーパースターが動く大型トレードが成立した。ナショナルズが外野手のホアン・ソトと一塁手ジョシュ・ベルを6人の若手選手との交換でパドレスに放出した。パドレスが放出した6人のうち、4人は球団のプロスペクト・ランキングでトップ5に入っていた。なぜそこまで価格が吊り上がったのか? マチャドや大谷と違って、ソトは24年オフまで2年半保有できたからだ。

「大谷はソトほど高くはならないだろう。FAが近いからね」。また別のア・リーグ球団幹部は言う。「ただ、マチャドよりは高くなる。実質的に2人の選手を獲得するようなものだからね」
 
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トレード先の「大本命」はやはりドジャース