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プロ野球

【CSファイナルステージ展望:パ・リーグ】山本、佐々木の両エースがシリーズの流れを左右する? 両指揮官の奇策にも注目!<SLUGGER>

藤原彬

2023.10.18

山本(左)、佐々木(右)。2人の“球界最強エース”がそれぞれのキーマンになることは疑いない?写真:THE DIGEST写真部

山本(左)、佐々木(右)。2人の“球界最強エース”がそれぞれのキーマンになることは疑いない?写真:THE DIGEST写真部

 10月18日からクライマックスシリーズは、ファイナルステージに突入する。パ・リーグを15.5ゲームの大差でペナントレースを制したオリックスが登場し、ファーストステージを劇的な勝利で勝ち上がったロッテと激突。シーズンでの直接対決は15勝8敗2分で、特に京セラドームでは9勝2敗1分と極端だった両軍の対戦では、どのような要素がポイントになるだろうか。

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■絶対エースはCSで鬼と化す
 オリックスが成し遂げたリーグ3連覇の立役者である山本由伸の存在は、あまりにも大きい。3年連続で投手4冠に輝き、今季の防御率1.21はパ・リーグ歴代2位と難攻不落が極まった。クライマックスシリーズは過去2年ともファイナルステージ初戦で先発し、一昨年はロッテ打線を9回4安打10奪三振で封じ込める完封勝利。昨年のソフトバンク戦では8回5安打10奪三振と快投を続けて「短期決戦は何が起こるか分からない」の格言を跳ね返し、今年のCSでも開幕マウンドに上がる。ロッテとの対戦成績は3勝1敗で防御率0.64とほぼ難攻不落で、3年連続のリーグ優勝に向けてチームを勢いづけてくれそうだ。なお、第4戦先発予定の宮城大弥も3勝無敗、防御率1.06と山本同様にロッテを最も得意にしていて、シリーズがもつれればこちらもカギになるはずだ。
 
■“令和の怪物”が流れを呼び込むか
 その山本に、ロッテ勢で唯一土をつけた投手が佐々木朗希だ。侍ジャパンでチームメイトの両者がぶつかり合った4月14日の一戦で、“令和の怪物”が現役最強エースに投げ勝って話題を集めた。先週のファーストステージ第1戦では、故障明けのぶっつけ本番ながら先発し、160キロ超えのストレートを連発してソフトバンク打線を3回パーフェクトに封じた。ファイナルステージでは第4戦に先発予定で、宮城との同世代対決が予想される。仮にチームが3連敗すれば出番はないが、第4戦までもつれれば逆にキーマンになり得る。その後は重要な試合で好投が続く小島和哉と、今季はオリックス戦で防御率0.60の西野勇士が控えるだけに、佐々木が好投すればステージ勝ち上がりの可能性も見えてくる。

■両監督の采配やいかに?
 シーズンでは圧倒的なゲーム差をつけてゴールテープを切りながら、オリックスの中嶋聡監督はチームが強いとは思わないと語っている。投手の途中配置転換も辞さず、打順を入れ替え続け、ファームから昇格した選手の“オーディション”を繰り返したのはその証左だ。日本シリーズ連覇を見据えて、いかなる相手、どのような状況にでも対応できるチーム作りを目指していたことは、試合中の険しい表情からもうかがえる。対するロッテの吉井理人監督も、短期決戦ならではの「作戦」をほのめかす。アドバンテージを持つ相手の本拠地でアップセットを起こすには、博打の2つや3つは成功させる必要があるはずだ。ファーストステージでは勢いを手に入れただけに、周囲をあっと驚かせる起用や継投が見られるか注目したい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。


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