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MLB

ガーディアンズが確率2.0%の全体1位指名権を獲得!一方、今季ワースト勝率のA'sは…MLBドラフト・ロッタリーの明暗<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.12.06

今回が2度目となったドラフト・ロッタリー。昨年以上の意外な結果となった。(C)Getty Images

今回が2度目となったドラフト・ロッタリー。昨年以上の意外な結果となった。(C)Getty Images

 現地12月5日、来年7月に行われる新人ドラフトの指名順位を決めるロッタリーが行われた。全体1位から10位までの順番は以下のように決まった。

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1位 ガーディアンズ(勝率順10位)
2位 レッズ(13位)
3位 ロッキーズ(3位)
4位 アスレティックス(1位)
5位 ホワイトソックス(4位)
6位 ロイヤルズ(2位)
7位 カーディナルス(6位)
8位 エンジェルス(7位)
9位 パイレーツ(8位)
10位 ナショナルズ(5位)

 2022年から導入されたドラフト・ロッタリー制度は、全体1~6位の指名順をくじ引きによって決定する制度だ。それまでは前年の勝率が低い順で指名する完全ウェーバー制だったが、タンキング(主力選手を放出するなどして半ば意図的に低迷し、翌年のドラフト上位指名権を得ようとする手法)の横行に対する対策として導入された。

 今回のロッタリーには全17球団が参加。今季の勝率が最も低い3チームは全体1位指名権当選確率18.3%、その後は14.7%、8.3%、6.1%......と設定され、低迷球団が高い指名権を得られるよう配慮されている。抽選で決まるのは全体6位までで、7位以降は従来通り勝率の低い順に並んでいく。

 今回のロッタリーにおける最大の勝ち組は言うまでもなく、全体1位指名権を勝ち取ったガーディアンズだろう。1位を引き当てる確率はわずか2.0%で、クリス・アントネッティ編成総責任者は「正直、1位はまったく考えていなかった」と、球団史上初の全体1位指名権獲得に会心の表情だった。今季82勝80敗と勝ち越したレッズも、全体2位指名権をゲット。勝率順では13位で、ガーディアンズ以上のジャンプアップとも言える。
 
 逆に負け組の筆頭格は、今季MLBワーストの勝率.309(50勝112敗)を記録しながら、
ロッタリーの結果、4位となってしまったアスレティックスだろう。昨季もMLB最低勝率だったが、ロッタリーでは全体6位。旧制度なら2年続けて全体1位指名権を得ていたはずで、再建を推し進める上でも大きな痛手となった。

 また、MLBワースト5位の勝率.438(71勝91敗)と低迷しながらロッタリーに参加できなかったナショナルズも、負け組と言える。

 では、なぜナショナルズはロッタリーの対象外だったのか。

 MLBには球団間の戦力均衡を図るため、収入の多い球団から低収入の球団へ収益が分配される制度があるのだが、分配側の“ペイヤー・クラブ”は「2年連続でドラフト・ロッタリーに参加することはできない」というルールがある。ナショナルズはその規定に引っかかってしまったのだ。

 今年のドラフトでは全体2位指名権を得て大学球界最高のスラッガー、ディラン・クルーズを獲得したナショナルズだが、今回の指名順位の後退が次回のドラフトの戦略にどう影響するかも注目だ。

構成●SLUGGER編集部

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