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MLB

レッズやパイレーツがサプライズチームになった一方、常勝カーディナルスがまさかのどん底に低迷【MLB地区別球団通信簿:ナ・リーグ中地区】<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.12.30

今季から加入した新たな正捕手コントレラスに投手陣が不満を漏らすなど、カーディナルスは内部の不協和音も目立っていた。(C)Getty Images

今季から加入した新たな正捕手コントレラスに投手陣が不満を漏らすなど、カーディナルスは内部の不協和音も目立っていた。(C)Getty Images

 レンジャーズが球団史上初の世界一を勝ち取って幕を閉じた、2023年のMLBペナントレース。その結末に至るまでにしのぎを削った全30球団の戦いぶりを通信簿形式で採点した。今回はナ・リーグ中地区の5球団をお送りしよう。
※SLUGGER12月号増刊『メジャーリーガー555人の通信簿』より加筆・修正
【関連記事】由伸の巨額契約金は大谷の後払いのおかげ?両選手の規格外契約に見え隠れするドジャースの“深謀遠慮”<SLUGGER>

▼カブス
83勝79敗 勝率.512(地区2位)
通信簿:まずまずです

 ダンスビー・スワンソンらを補強して上位進出を目指した今季は、6月8日時点で借金10。だが、7月下旬に今季最長8連勝を記録するなど徐々に調子を上げ、トレード補強も施した8月には18勝9敗とさらに勢いを増し、9月上旬にはFanGraphs算出のプレーオフ進出確率が90%を超えた。ところが、終盤戦に失速し、わずかにプレーオフには届かなかった。

 シーズン終了後、ホイヤー編成総責任者は「成功と呼ぶことはできない」と語ったが、収獲は少なくない。投手陣では急成長のジャスティン・スティールがサイ・ヤング賞争いに参戦し、アルバート・アルゾレイはシーズン途中からクローザーへ定着。守備でチームを助けたニコ・ホーナーとスワンソンの二遊間コンビはWAR(Baseball Reference版)のチームトップ2を独占した。

 このオフはコディ・ベリンジャーがFAとなり、マーカス・ストローマンもオプトアウト。ベリンジャーとの再契約を模索しつつ、大谷翔平の獲得にも乗り出すなど水面下で積極的に動いてきた。今後は今永昇太(DeNA)獲得を目指すかもしれない。

文●村田洋輔
 
▼レッズ
82勝80敗 勝率.506(地区3位)
通信簿:まずまずです

 プレーオフ出場は目前で逃したが、2年連続100敗も予測された下馬評の低さを思えば、今季は大きな実りを得たと言える。30球団最多の16人がメジャーデビューを飾り、23人ものルーキーがひしめいたチームの中でもエリー・デラクルーズのインパクトは絶大で、デビュー直後にチームは12連勝。後半戦は失速したものの、球界屈指のスターにさえなり得るだけのスケールの大きさを感じさせた。そのデラクルーズの活躍もあって、190盗塁はリーグ最多。来季以降も機動力は大きな武器になりそうだ。

 一方、投手陣は先発二枚看板と目されたハンター・グリーンとニック・ロドーロが故障。夏場は2人の復調を見込んで補強を控えたが、この目論みも外れて最後までやり繰りに苦労した。それでも、2人の復活や新鋭アンドリュー・アボットのさらなる成長など、楽しみな材料は少なくない。前年比で約50万人以上も増えた観客動員もうれしい誤算で、来季こそ飛躍のシーズンとしたい。

文●藤原彬
 
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