▼ブルワーズ
92勝70敗 勝率.568(地区1位)
通信簿:まずまずです
リーグベストの防御率を記録した投手力が物を言い、ライバルのカーディナルスの思わぬ不振にも助けられて、2年ぶりに地区優勝を果たした。
先発二枚看板のうち、サイ・ヤング賞投手のコービン・バーンズは今季も200イニング近くを稼ぎ、内容もまずまずだったが、ブランドン・ウッドラフは右肩の故障で長期離脱。それでも、コリン・レイやフリオ・テラーン、ブルペンではブライス・ウィルソン、ジョエル・パヤンプスといった選手たちが意外な貢献を見せた。1点差試合で29勝18敗と大きく勝ち越したのも、投手陣の粘りがあってこそ。一方、打線はOPSリーグワースト2位とパワー不足が顕著だったが、マーク・カナやカルロス・サンタナを途中補強。彼らの選球眼の良さや、優れた走塁で補い、何とか平均レベルの得点力を確保した。
このオフはクレイグ・カウンセル監督がカブスへ移り、パット・マーフィーが新監督へ昇格。バーンズにもトレードの噂がくすぶっている。ウッドラフが手術を受け、来季全休の可能性もある中、エースもトレードで放出するとなれば、戦力再構築は避けられないだろう。
文●藤原彬
▼パイレーツ
76勝86敗 勝率.469(地区4位)
通信簿:可もなく不可もなく
序盤戦はメジャー一番のサプライズチームだった。4月17日から7連勝で首位に立ち、最大12の貯金を作る。5月中にはその貯金を吐き出したが、ナ・リーグ中地区のレベルの低さもあり、6月15日時点でまだ首位にいた。だが、22日まで10連敗を喫した後は反攻する力は残っておらず、ベン・チェリントンGMが「162試合を戦い抜く力はなかった」と述べた通りの結果となった。
ただ、過去2年連続で100敗していたことを考えれば大いに健闘したと言える。打線は692得点で、昨年からプラス101点。大器オニール・クルーズがほぼ全休したことは残念だったが、カルロス・サンタナ(ブルワーズへシーズン途中に移籍)や復帰したアンドリュー・マッカッチェンらベテランが奮闘し、ケブライアン・ヘイズも後半戦は絶好調。ヘンリー・デービスも2021年ドラフト全体1位の片鱗をのぞかせた。
投手ではミッチ・ケラーがチーム8年ぶりの大台となる210奪三振。デビッド・ベッドナーも39セーブでタイトルを獲得したが、全体的な駒不足は否めず、野手に比べると有望株の成長も遅れ気味。上位を争うには、まだ時間がかかりそうだ。
文●出野哲也
92勝70敗 勝率.568(地区1位)
通信簿:まずまずです
リーグベストの防御率を記録した投手力が物を言い、ライバルのカーディナルスの思わぬ不振にも助けられて、2年ぶりに地区優勝を果たした。
先発二枚看板のうち、サイ・ヤング賞投手のコービン・バーンズは今季も200イニング近くを稼ぎ、内容もまずまずだったが、ブランドン・ウッドラフは右肩の故障で長期離脱。それでも、コリン・レイやフリオ・テラーン、ブルペンではブライス・ウィルソン、ジョエル・パヤンプスといった選手たちが意外な貢献を見せた。1点差試合で29勝18敗と大きく勝ち越したのも、投手陣の粘りがあってこそ。一方、打線はOPSリーグワースト2位とパワー不足が顕著だったが、マーク・カナやカルロス・サンタナを途中補強。彼らの選球眼の良さや、優れた走塁で補い、何とか平均レベルの得点力を確保した。
このオフはクレイグ・カウンセル監督がカブスへ移り、パット・マーフィーが新監督へ昇格。バーンズにもトレードの噂がくすぶっている。ウッドラフが手術を受け、来季全休の可能性もある中、エースもトレードで放出するとなれば、戦力再構築は避けられないだろう。
文●藤原彬
▼パイレーツ
76勝86敗 勝率.469(地区4位)
通信簿:可もなく不可もなく
序盤戦はメジャー一番のサプライズチームだった。4月17日から7連勝で首位に立ち、最大12の貯金を作る。5月中にはその貯金を吐き出したが、ナ・リーグ中地区のレベルの低さもあり、6月15日時点でまだ首位にいた。だが、22日まで10連敗を喫した後は反攻する力は残っておらず、ベン・チェリントンGMが「162試合を戦い抜く力はなかった」と述べた通りの結果となった。
ただ、過去2年連続で100敗していたことを考えれば大いに健闘したと言える。打線は692得点で、昨年からプラス101点。大器オニール・クルーズがほぼ全休したことは残念だったが、カルロス・サンタナ(ブルワーズへシーズン途中に移籍)や復帰したアンドリュー・マッカッチェンらベテランが奮闘し、ケブライアン・ヘイズも後半戦は絶好調。ヘンリー・デービスも2021年ドラフト全体1位の片鱗をのぞかせた。
投手ではミッチ・ケラーがチーム8年ぶりの大台となる210奪三振。デビッド・ベッドナーも39セーブでタイトルを獲得したが、全体的な駒不足は否めず、野手に比べると有望株の成長も遅れ気味。上位を争うには、まだ時間がかかりそうだ。
文●出野哲也
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