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【座談会:大谷翔平メジャー2年間の総括と今後③】来季は「マンガの世界」の再現に期待! 有識者3人が考える大谷翔平の「理想像」とは

スラッガー編集部

2020.01.03

――1年目の成績なら十分でしょうが、例えば投手が悪くて打者が良かったら、それもまたやめた方がいいと言われそうですね。

出野:15年はバッティングが全然ダメだったので、もうやめろって言われていましたね。あの年くらいに差が出ると、厳しいかもしれないです。あの時はプロ3年目で年齢的にも若かったのでいいですけど、今後衰えた時にどうなるか。そもそも、フル稼働した年がないので判断は難しいですが。

お股:怪我さえなければ、絶対に数字は残すから。それはずっと言っていることだけど、ポテンシャルは桁違いなので。怪我をどう防ぐのかっていう話です。

豊浦:今までそういう選手がいなかったので、400打席立って22~23先発というのは、ものすごいことだと思うんだけど、じゃあ怪我しないで続けたら、それでいいのかって。

 結局、一度も規定投球回、規定打席にも達せずに終わって、本当にこの才能を野球界は最大限に享受できたのかっていう気もしますけどね。だから結局本人がどこまで何をやりたいのかというところに尽きる。
 
――でも、すでに選手の評価法が変わっている気もするんですよね。規定投球回はクリアできなくても、仮に1年目の数字を怪我しないで再現できたら、本当にメジャーのなかでもスーパースターの仲間入りはできるんじゃないかなって。

豊浦:これから先にブレンダン・マッケイ(レイズ)がどうなるか分かりませんけど、基本的には文化の方向性っていうのは、細分化であり分業のほうに向いているから、次から次へと大谷に続くようなフォロワーがでてきて、二刀流が一つのカテゴリーとして定着するとは、私には思えないですけどね。

――細分化が進んだ結果としての二刀流もあるんじゃないかと思います。

豊浦:それはスーパースターではなくて、生き抜くためのやり方になりますよね。ユーティリティとある意味では同じような。昔、ビル・ジェームズの『ベースボール・アブストラクト』を読んだ時に、パシフィック・コースト・リーグがマイナーリーグに組み込まれる以前の話で、ある年に打者として三冠王を取りながら、その一方で20勝した選手を紹介していたんです。でもそれは、2ウェイ・プレーヤーではなくて、究極のユーティリティ・プレーヤーとして取り挙げていました。本当にそういうことができるんだったら、すごいと思いますけど、やっぱり無理だと思うので。
 

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