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MLB

大谷翔平の「四球攻め」は“差別”ではなく“必然”の選択。偉大すぎるゆえの苦しみ

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2021.09.25

大谷の前に3試合10四球以上を記録したボンズ(左)とハーパー(右)。大谷は彼らと同じように傑出した存在だからこそ、勝負できないのである。(C)Getty Images

大谷の前に3試合10四球以上を記録したボンズ(左)とハーパー(右)。大谷は彼らと同じように傑出した存在だからこそ、勝負できないのである。(C)Getty Images

 例えば23日のアストロズ戦、この日も3四球で表面的には明らかに勝負を避けたように見える。しかし、内実は少し違う。三振に終わった1打席目を含めて、全4打席はすべてフルカウントだった。確かにアストロズバッテリーがかなり警戒していたことは事実でも、大谷自身が際どいコースをカットし、見極めてもぎとった四球だった。

 24日のマリナーズ戦も、大谷は1打席目に三振に終わると、3回は2死ながら二塁に走者を置いた場面で打席が回ってきた。そして1球目、チェンジアップを見極め、2球目のカーブも外れたところで敬遠された。5回の第3打席、カウント1-2と追い込まれながらも、相手の決め球に釣られることなく四球を記録。7回もカウント1-1からボール3つを見極めた。そして最終9回も、2つのボールに反応することなく、相手に敬遠を“選択”させた。
 
 並みの選手だったら、いつ三振してもおかしくない場面で、大谷は完璧に四球を選び抜いてきているのだ。しかも、これだけ警戒され、また本塁打を打ちたいという自身のはやる気持ちも制御しながら。選球眼の良さはもちろん、メジャーのスカウティング評価でいう「Discipline」、つまり規律を持ったアプローチの賜物が、過去50年間で3人だけという偉業につながったのだ。

 2003年のボンズはこの年61敬遠、148四球を記録し、翌年は120敬遠(!)、232四球(!)、出塁率.609(!)とひたすら勝負を避けられ続けた。そして2016年のハーパーは、前年に最年少で満票MVPを受賞し、この時も記録達成時には出塁率.432、OPS1.054をマーク。1試合3敬遠を含む6四球されたのも、今年の大谷と同じように後続が弱かったからでもあった。

 ボンズはMVPに歴代最多7回輝き、ハーパーも受賞者である。そして大谷も、彼ら2人と同じようにMVPを獲得する可能性は非常に高い。3試合で11四球の快挙は「差別だ!」と証拠もなく騒ぎ立てるよりも、今シーズンに数々の伝説を残してきた大谷を“彩る”記録として、称賛したいものである。

構成●新井裕貴(THE DIGEST編集部)
 
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