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MLB

【不正投球問題の本質:後編】投手たちは規制に猛然と反発。だが、彼らは本当に被害者なのか?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.01.03

 マンフレッドはこの問題について、出口戦略を必要としている。審判がすべての投手をチェックする現状を永遠に続けるわけにはいかないからだ。たとえイニング間であっても、ゲームの自然な流れを阻害してしまう。

 インプレーのボールが増えれば増えるほどゲームは魅力的になるというマンフレッドの主張に、私は同意する。現行のルールをしっかり実施することも理に適っている。

 しかし、ランダムチェックの方がより合理的だろう。その場合でも、すべての投手が違反行為発覚のリスクを負うことになる。また、投手たちへ誠意を示すためにも、機構はボールを握りやすくするための異物使用を認めるべきだろう。もちろん、不公平なアドバンテージを生むものは禁止しなければならない。
 

 結局のところ、不正行為はベースボールに害しか及ぼさないのだから、根絶すべきだ。スパイダータックの使用については言葉を濁したコールだったが、その一方である否定しがたい事実を指摘した。

「結局のところ」と彼は言った。「この件について、俺たちは全員が同じ方向を向くべきなんだ」。

文●タイラー・ケプナー/『ニューヨーク・タイムズ』紙

【著者プロフィール】
 ペンシルベニア州出身。13歳で自作の雑誌を制作し、15歳でメジャーリーグの取材を始める。大学卒業後、『シアトル・ポスト・インテリジェンサー』紙を経て、『ニューヨーク・タイムズ』紙でメッツ、ヤンキースの番記者を務め、2010年からナショナル・ベースボール・ライターとなった。Twitter IDは@TylerKepner。
 

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