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プロ野球

【インタビュー】松井裕樹/後編「自分が信頼してもらうには、まず相手を信頼すること」

2020.02.06

「凸凹なシーズンを繰り返している」と振り返る松井。果たしてその真意とは? 写真:田中研治

「凸凹なシーズンを繰り返している」と振り返る松井。果たしてその真意とは? 写真:田中研治

――守護神として確固たる地位を築きながらも、今年は再び先発に再挑戦されます。先発転向における課題は何でしょうか? また、「投げる体力」(前編参照)という面でも不安はないでしょうか?

 ストライクをもっと投げなくてはいけないと思います。2017年のロッテ戦で久しぶりに先発起用していただいて、中7日ほど空けてもらったのですが、その間に2回投げ込みをしました。

 その試合は5回80球ぐらいでスピードが140kmくらいまで落ちてしまったのですが、しっかり先発ローテーションの練習をして投げ込みをした翌週は、110球以上を投げても147、148kmくらいまで投げることができたので、先発投手のルーティーンをこなして、トレーニングをして、休んでっていうサイクルを続けていけば、先発としても投げられるんだなっていうのは確認できています。体力面に関しても、今は問題はないと思います。
 
――これまでのキャリアはご自身の中で“順調”と言えるものでしょうか?

 正直に言えば、抑えになってからは凸凹なシーズンを繰り返しています。「もっと良くなりたい」っていう気持ちが前のめりに出てしまっていて。2015年に63試合を投げて防御率0点台を出した中でも、もっと良くなりたいと思って、自分に合わないことをトライしてズレが生まれ、翌年は30セーブはしたんですけど防御率を落としてしまって。

 もっと良くしていこうと思って、自分に合わないフォームも試したり、怪我を隠しながらやったりとかで2016年は良くなかったですね。しっかり立ち返ろうってことで2017年は自分も良かったですし、チームも3位になったところで、2018年はまたちょっと落ちて。

 当然、もっと良くなるって気持ちがなくなったら終わりだと思うんですけど、良かった次の年に自分から水を差しているというか、階段を登りたいと思ってやったことが結果的に踏み外す形になって。ただ、それはやらなかったら分からなかったことなので、後悔はしてないですし、引き出しも5年間でしっかり増えているので。全部が良かったとは言わないですけど、いろんな道をたどって今に至ります。

――例えば環境を変えたり、何かを決断することは分かっていても難しい部分もあると思います。選択に悩んでいる人に向けてアドバイスはありますか?

 自分の気持ち、それ以外ないです。やりたいと思ったらやればいいし、目指し続ける、目標とすることがあれば、自然と近づく努力をするだろうし、恥ずかしくないように行動すると思います。自分がどうなりたいのかを、自分でしっかり考えることが大事だと思います。
 
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