国内バスケ

【連載インタビュー】シェーファーアヴィ幸樹/後編「(八村)塁は圧倒的に上にいるけど、少なくとも僕はライバルだと思っている。彼の活躍は悔しいけど嬉しい」

萩原誠(ダンクシュート編集部)

2020.03.18

日本代表のシェーファーが、同い年の八村への想い、東京五輪への意気込みを語った。写真:徳原隆元

 開幕へのカウントダウンが始まる東京五輪。本連載では、オリンピックでの活躍が期待される各競技の注目選手の生い立ちや夢舞台への想いに迫る。

 今回は、名門ジョージア工科大出身のBリーガー、滋賀レイクスターズのシェーファー アヴィ幸樹を直撃。昨年のワールドカップで日本代表最年少として出場した22歳に、自身の生い立ちや母国で開催される大舞台へかける意気込みを聞いた。

 後編では、同い年であり、ライバルとして意識する八村塁について、そして出場を切望する東京五輪に対する熱い想いを赤裸々に吐露。日米で様々な経験を積んできた彼だからこそ語ることができる、中高生たちへのメッセージも必見だ。
 
――同い年の八村塁選手とはどんな出会いだったんですか?

最初に会ったのはU18のトップエンデバーです。確か3本先取の1オン1をやったんですけど、3-2くらいで意外と競ったんですよね。日本の高校バスケ界についてあまり詳しくない僕でも塁はさすがに知っていました。当時の世代トッププレーヤーが集まるなかでも、塁は圧倒的でしたね。同い年の選手たちも皆、一目置いているという印象でした。

――2017年のU19ワールドカップでは日本史上最高の10位という成績でしたが、この大会はどんな経験になりましたか?

楽しかったですね。僕は塁の控えという立場でしたが、塁がファウルトラブルになったマリ戦や一緒にプレーした韓国戦だったり、すごくやりがいのあるポジションだったのでとにかく楽しかったです。決勝トーナメントは僅差で負けてしまったんですけど、世界トップレベル相手にやり合えた充実感もありました。それはもちろん、僕個人の力ではなくチーム全体の力なんですけど、チームの自信が僕自身の自信にもつながったのかなと思います。

――アンダーカテゴリーとはいえ、国を代表する重みというものは感じましたか?

その時は国を代表してという実感はあまりなかったですね。とにかく楽しんでプレーしていました。それよりも2018年のフル代表のデビュー戦(韓国戦)が、初めて重みを感じた試合で、めちゃくちゃ緊張しましたね。

――昨年のワールドカップではどんな経験、収穫がありましたか?

もちろん、すごく大きな経験になりましたね。日本の世界での立ち位置を改めて知れたというか。上り調子で「意外と日本いけるんじゃないか」という形で大会に入って、コテンパンにやられたので。本当にまだまだ足りないんだなというのを改めて感じましたし、そのなかで僕はほとんど試合に出ることができず、負けるのを見るだけだったので、それはすごく悔しかったです。オリンピックではなんとしても試合に出られるように、また出るだけじゃなく、チームに貢献できるようにという意識にはなりましたね。

――主力として活躍する八村選手や、近い年代の渡邊雄太選手の活躍をどう見ていましたか?

悔しかったですね。もちろん、彼らは圧倒的に上にいますけど、特に塁は同い年で少なくとも僕はライバルだと思ってますし、追いかける背中だと思っているので。そういう意味ではどんどん上に行かれているので、常に悔しいという思いはあります。ただ、もちろん塁の活躍や頑張っている姿は嬉しいですし、悔しいのと嬉しいのが半々くらいですかね。

――八村選手のNBAでの活躍も当然、チェックしていますよね?

もちろんです。塁がNBAの舞台で20点とか取ってて、僕がBリーグで0点とかの時は本当に悔しいですね。本当に悔しいです。
 
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