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八村塁、エースとしてウィザーズを背負う覚悟!「得点とプレーメーク機会が増えるのは僕にとっていいこと」

秋山裕之

2020.07.13

現状のウィザーズのロースターにおいて、エースの役目を担うのは八村だろう。本人もその自覚は十分にあるようだ。(C)Getty Images

 7月12日(日本時間13日、日付は以下同)、フロリダ州オーランドに滞在しているワシントン・ウィザーズの選手たちはこの日、全体練習ではなく基礎練習に励んだ。

 シーズン中断時点のウィザーズは、24勝40敗でイースタン・カンファレンス9位。8位のオーランド・マジック(30勝35敗)と5.5ゲーム差、7位のブルックリン・ネッツ(30勝34敗)とは6.0ゲーム差をつけられた状態で、30日から始まる8試合のシーディングゲーム(順位決定戦)に臨む。

 ただし、開催地に乗り込んだメンバーは、残念ながらベストと呼ぶにはほど遠い。今季全休のジョン・ウォールに加え、ブラッドリー・ビール、ダービス・ベルターンスは出場を辞退。トーマス・ブライアントとゲイリー・ペイトン二世は9日に新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たことでまだ合流できておらず、ギャリソン・マシューズ(2WAY契約)も個人的な事情を理由に不在という状況だ。

 11日にチーム練習を終えたシャバズ・ネイピアーは、現状についてこう話している。

「俺たちは今、第8シードから5.5ゲーム差。プレーイン・トーナメントに進むためには4.0ゲーム差に縮めなければならない。それを8試合でやらなければいけないんだ。多くのチーム、ファンは俺らの活躍なんか期待しちゃいない。それがモチベーションになっているんだ」
 
 現在のロースターにおいて、チームのトップスコアラーは平均13.4点を記録している八村塁。それに続くのが今季途中加入したネイピアー(12.0点)で、以下ベテラン司令塔のイシュ・スミス(10.5点)、トロイ・ブラウンJr.(9.7点)、モリッツ・ヴァグナー(9.5点)と続く。

 不参加を表明したビールとベルターンスは、今季のチームトップ2スコアラーであり、2人で平均45.9点をマークしていた。オフェンス面は大幅な戦力ダウンになったのは言うまでもないだろう。

「とにかく互いを信頼すること。(期待されていない分)気楽にプレーできるけど、落とし穴だってある。ビールとベルターンスがいないから、1人で全部やってやると思ってしまうことがあるからね。大事なのはケミストリーの向上。お互いに競り合って、勝ちに行くこと。ビールのように平均30点を奪う選手が抜けたわけだから、みんながいいプレーを見せようと、高いモチベーションを持っている。ベンチ入りしているすべての選手が貢献していかなくちゃいけない。このリーグの選手は、誰だって日替わりでヒーローになれるだけの能力を備えている。だから全員の活躍が必要なんだ」とネイピアーは話す。
 
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戦力低下したウィザーズのなかで、八村にエースの自覚が芽生える