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カンザス大の歴代ベストメンバーは? ガードは名門のMVP、センターはシクサーズの新旧スターのツインタワー<DUNKSHOOT>

出野哲也

2021.05.06

カンザス大は今季のMVP候補エンビード(左)や、08年のファイナルMVPピアース(右)などを輩出している。(C)Getty Images

 1910年に創設され、NBA(1946年)より古い歴史を持つNCAA(全米大学体育協会)。プロを目指す若手選手たちにとってNCAAでプレーすることがNBA入りの"王道ルート"であり、時代を問わず何人ものスーパースターを送り出してきた。

 では、カレッジとNBAで実績を残した選手を対象に、大学別に最強メンバーを選出した場合、どんな顔ぶれになるのか。『THE DIGEST』では、双方に精通する識者に依頼し、各大学のベストメンバーを選んでもらった。

 第5回は3度の全米制覇を誇るカンザス大編をお届け。1試合100得点をマークした伝説の巨人ウィルト・チェンバレンや、今季のMVP候補ジョエル・エンビードらを輩出したカンザスの歴代ベストメンバーとは——。
 
【ポイントガード】
ジョ・ジョ・ホワイト

1946年11月16日生。191cm・86kg
カレッジ成績:84試合、平均15.4点、4.9リバウンド
NBA成績:837試合、平均17.2点、4.0リバウンド、4.9アシスト

 カンザス大出身のNBA選手で、バスケットボール殿堂入りしているのは今のところ3人。チェンバレン、1950年代の名選手だったクライド・ラブレット、そしてホワイトだ。在学中の68年にはメキシコ五輪代表に選出し、チーム2位の平均11.7点をあげて金メダルに貢献した。2年間の兵役予定があったため、69年のドラフトでは本来の実力より低い9位でボストン・セルティックスに入団した。

 平均21.3点をマークした2年目から7年連続でオールスターに出場し、74年と76年の優勝時には主力メンバーとして活躍。ポストシーズンに強く、NBA史上最高の試合と言われる76年ファイナル第5戦では60分出場して33得点をあげて勝利の立役者に。シリーズ通算でもチームトップの平均21.7点でMVPを受賞している。

 冷静沈着で、コート上では感情を表に出さないタイプ。プレースタイルも堅実で派手なところがなく、ヘッドコーチのトム・ハインソーンには「誰も気づかないうちに20点、8アシストを記録している」と形容された。
 
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