2020年1月1日、前NBAコミッショナーのデイビッド・スターンが不帰の人となった。
好き嫌いはあるにせよ、彼なくして現在のNBAの隆盛はなかった、それだけは確かな事実である。今回は追悼企画として、この名物コミッショナーの秘話をお届けする。スターンはドラフトで毎年激しいブーイングを浴びせられていたが、それにまつわるストーリーだ。
■NBAを惨状から救い出し現在の隆盛をもたらした
2015年から18年まで、本誌で『NBAドラフト史』という連載を担当させていただいた。その最終回の結びに、こんな文章を書いている。
"85年から導入されたドラフトロッタリーの起案者であり、80年代以降のドラフトを一大イベントへと成長させた前NBAコミッショナー、デイビッド・スターンの天才的手腕と、なぜ彼がドラフト会場でかくも強烈なブーイングを食らうのか(スターンの登壇最終年となった13年には、自ら観客を煽り、ブーイングを楽しんでいた)など、他にも書きたかったことは山ほどあるが、また何かの機会に紹介できればと思う。"
そのスターンが、2019年12月12日午後2時前、マンハッタンのミッドタウンにあるフレンチレストランで脳内出血を発症し、搬送先の病院で緊急手術を受けた。そして3週間後の2020年1月1日、不帰の客となる。享年77。
鬼籍に入るにはまだ早すぎる年齢だが、WHO(世界保健機関)の最新データを調べてみると、アメリカ人男性の平均寿命は76歳。スターンの突然の逝去はもちろん、アメリカ人男性の平均寿命の短さにも驚かされた次第だ。
スターンがNBAで重ねた功績の数々は、それこそ枚挙に暇がない。彼が成し遂げた改革の詳細については、他のページで紹介されていると思うので割愛させていただくが、一言で言えば"スターンがいなかったら、現在のNBAの隆盛はなかった"、それに尽きるだろう。
では、彼がコミッショナーに就任した1980年代前半のNBAは、いったいどんな惨状だったのか。また、当時と今では、どれだけ様変わりしたのか。抽象的な表現ではなく、具体的な数字を読み取ることで、NBAの発展ぶりをより実感することができると思う。『ニューヨーク・タイムズ』に掲載された数本の記事から、データをいくつか拾い出してみよう。
好き嫌いはあるにせよ、彼なくして現在のNBAの隆盛はなかった、それだけは確かな事実である。今回は追悼企画として、この名物コミッショナーの秘話をお届けする。スターンはドラフトで毎年激しいブーイングを浴びせられていたが、それにまつわるストーリーだ。
■NBAを惨状から救い出し現在の隆盛をもたらした
2015年から18年まで、本誌で『NBAドラフト史』という連載を担当させていただいた。その最終回の結びに、こんな文章を書いている。
"85年から導入されたドラフトロッタリーの起案者であり、80年代以降のドラフトを一大イベントへと成長させた前NBAコミッショナー、デイビッド・スターンの天才的手腕と、なぜ彼がドラフト会場でかくも強烈なブーイングを食らうのか(スターンの登壇最終年となった13年には、自ら観客を煽り、ブーイングを楽しんでいた)など、他にも書きたかったことは山ほどあるが、また何かの機会に紹介できればと思う。"
そのスターンが、2019年12月12日午後2時前、マンハッタンのミッドタウンにあるフレンチレストランで脳内出血を発症し、搬送先の病院で緊急手術を受けた。そして3週間後の2020年1月1日、不帰の客となる。享年77。
鬼籍に入るにはまだ早すぎる年齢だが、WHO(世界保健機関)の最新データを調べてみると、アメリカ人男性の平均寿命は76歳。スターンの突然の逝去はもちろん、アメリカ人男性の平均寿命の短さにも驚かされた次第だ。
スターンがNBAで重ねた功績の数々は、それこそ枚挙に暇がない。彼が成し遂げた改革の詳細については、他のページで紹介されていると思うので割愛させていただくが、一言で言えば"スターンがいなかったら、現在のNBAの隆盛はなかった"、それに尽きるだろう。
では、彼がコミッショナーに就任した1980年代前半のNBAは、いったいどんな惨状だったのか。また、当時と今では、どれだけ様変わりしたのか。抽象的な表現ではなく、具体的な数字を読み取ることで、NBAの発展ぶりをより実感することができると思う。『ニューヨーク・タイムズ』に掲載された数本の記事から、データをいくつか拾い出してみよう。
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