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NBA

【欧州ドラフト候補生】セルビアで腕を磨いた“八村の後輩”やフランス産の有望ガード。2巡目候補にも逸材揃い<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.07.23

今年のドラフトで指名が期待されるセルビアのペトルシェフ(左)とフランスのベガラン(右)。(C)Getty Images

今年のドラフトで指名が期待されるセルビアのペトルシェフ(左)とフランスのベガラン(右)。(C)Getty Images

 7月29日(日本時間30日)、ブルックリンのバークレイズ・センターで開催される2021年のNBAドラフト。近年注目度が増しているヨーロッパのプロスペクトでは、スペインのウスマン・ガルバ、トルコのアルペラン・シェングンらが1巡目の指名候補に挙がっている。

 クロアチアのシボナに所属する18歳のパワーフォワード、ロコ・プルカチン、レアル・マドリーのガード、カルロス・アロセンら数人がエントリーを撤回したため、当初より欧州勢は少なくなりそうだが、モックドラフト(ドラフト指名予想)では2巡目に予想されている将来性のありそうな2人を、ここで紹介しよう。

■フィリップ・ペトルシェフ(セルビア/メガ・バスケット)
 NBAの今季MVPニコラ・ヨキッチと同じ、セルビアのメガ・バスケットからエントリーするのが、2000年4月生まれのビッグマン、フィリップ・ペトルシェフ(Filip Petrusev)だ。

 身長211cm、体重107kgの堂々とした体躯を誇る彼は、なかなか面白い経歴の持ち主でもある。首都ベオグラードで生まれ、FMPを皮切りに、レッドスター、パルチザンと、同市にある3つのプロクラブで育成を受けたのち、14歳でスペインの名門ラボラル・クチャ(バスコニア)に入団した。
 
 本人いわく「セルビアとは段違いに良いスペインでのバスケ環境」に非常に満足していたが、両親はより可能性を求め、息子をアメリカのハイスクールに入れることを選択。コネチカット州にある高校へと進学し、その後プレップスクールを経て、ゴンザガ大学に入学した。

 ゴンザガ大では、3年生にエースの八村塁がいたこともあり、1年目は平均11.4分しかプレータイムを得られなかったが、2年目になってよりチャンスを与えられると、かつてスティーブ・ナッシュも受賞したウエスト・コースト・カンファレンスの最優秀選手に選ばれるほどの活躍を披露。ちなみにこの賞を前年に受賞したのは先輩の八村だ。

 しかしここで、ペトルシェフは再び周囲の予想を裏切る行動に出る。ゴンザガ大を中退して故郷セルビアに戻り、メガ・バスケットとプロ契約を結んだのだ。早くからNBA行きを目標にしていた彼は、当初ドラフトへのアーリーエントリーを決めていたが、これを撤回し、母国で1年修行することを決めた。

 その理由は、ドラフトでの評価をより格上げするため。ヨーロッパに帰ることを決めた時、古巣のレッドスターやパルチザンも獲得に手を挙げるなか、メガを選んだのもそのためだった。

「自分の目標は世界最高峰のリーグ、NBAでプレーすること。もしヨーロッパでキャリアを積むなら、ユーロリーグやユーロカップに参戦しているクラブを選んだ。だがメガは、ほかとは違う。ここは若手が中心で、チャンスが与えられる。しかもひとつのコンペティションにしか参戦していないから、ハイレベルかつ練習する時間がたっぷりあるんだ」
 
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