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NBA

【欧州ドラフト候補生】セルビアで腕を磨いた“八村の後輩”やフランス産の有望ガード。2巡目候補にも逸材揃い<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.07.23

 ベガランはそのINSEPチームで、2019年のアディダス・ネクストジェネレーション・トーナメントに16歳で出場し、大会2位の平均19.8点をマーク。大会のオール5に選ばれると、同じ年にラトビアのリガで行なわれたバスケットボール・ウィズアウトボーダーズ欧州版でもMVPを受賞するなど、すぐに頭角を現わした。

 そしてその夏、パリ・バスケットボールとプロ契約を締結。同クラブは、2018年に設立されたばかりの新設クラブだ。これまでパリ市内にはプロチームがなかったため(パリ市外には国内トップリーグ所属のルバロワ、ナンテールなどがある)、「パリ市にプロバスケクラブを!」をスローガンに誕生。共同オーナーはNBAミネソタ・ティンバーウルブズの元球団社長、デイビッド・カーンが務めている。

 2部リーグ(ProB)からスタートすると、3年目の今季は準優勝を果たし、来季はトップリーグ参戦が決まっている。1年目は控え選手で平均4.8点止まりだったベガランも、2年目の今季は1試合を除く全試合に先発出場。平均11.9点と数字を大きく伸ばして昇格に貢献した。
 
 シュートの精度にはまだ改善の余地があるが、スピード、とりわけ一歩目の爆発的な加速を武器としたペネトレーションは目を引くものがある。196cm、84kgの体格も、競り合いに負けない強さを持っている。

 ディフェンスでは、ブロックやスティールなど反射神経を生かしたプレーが得意。攻守ともに本能に頼ってプレーしている感じで、ゲームビジョンや試合の流れを読むといった点は今後養っていく必要があるが、良い指導者に恵まれれば飛躍的に伸びそうなポテンシャルを感じさせる。デイビッド・カーンのNBAコネクションも含め、今後の動向が気になる逸材だ。

 トニー・パーカーがオーナーを務めるアスヴェルに匹敵する球団に急成長しそうなパリ・バスケットボールにも、来季はますます注目が集まりそうだ。メガ・バスケットといい、新興クラブが、欧州のバスケシーンの新たな主役になりつつある。

文●小川由紀子

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