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3シーズンぶり復帰のイグダーラに全幅の信頼を寄せるカーHC「どんなポジションでも勝利を手助けできる」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.08.12

かつて3度の優勝を経験した古巣ウォリアーズに復帰したイグダーラ。37歳の大ベテランに指揮官も全幅の信頼を寄せる。(C)Getty Images

 8月10日(日本時間11日)、ゴールデンステイト・ウォリアーズはアンドレ・イグダーラと契約を結んだことを正式に発表した。

 ウォリアーズは今年のドラフト1巡目7位でフォワードのジョナサン・クミンガ(Gリーグ・イグナイト/コンゴ民主共和国)、14位でガードのモーゼス・ムーディー(アーカンソー大/アメリカ)を指名した。

 フリーエージェント(FA)戦線ではオットー・ポーターJr.とネマニャ・ビエリツァと契約。ポーターJr.はキャッチ&シュートに秀でたフォワードで、ビエリツァはセルビア出身の技巧派ビッグマン。スティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)はこのビエリツァについて、かつてウォリアーズに3シーズン在籍し、15年の優勝に貢献したビッグマンに例えて期待を示した。

「彼は4番(パワーフォワード)と5番(センター)を務めることになると思う。我々にはピック&ポップに対応できるビッグマンがいなかった。こう言うべきではないかもしれないけど、彼はモー(マリース)・スペイツの3ポイント版なんだ。彼ならフロアのスペースを広げてくれるだろう」
 
 ビエリツァはスペイツほどのパワーこそないものの、208cmのサイズと3ポイントを高確率で沈められるシュート力を持つ。ビッグマンとしてはパス能力も平均以上のものがあり、ウォリアーズのシステムにフィットすることが期待される。

 そして今夏、ウォリアーズにとって最も嬉しいニュースはイグダーラの復帰だろう。2013年から19年まで6シーズン在籍した37歳の大ベテランは、5年連続(15~19年)のNBAファイナル進出に大きく貢献し、15年の優勝時にはファイナルMVPを獲得。スモールボールで相手を圧倒するうえで重要な役割を担った男である。

 3ポイントやフリースローなどシュート全般は波があるものの、ボール運びからプレーメークまでこなし、ディフェンスでは複数のポジションをガード可能な万能性を誇る。リーダーシップも抜群で、昨季までチーム最年長だったステフィン・カリーのサポート役などチームに与える影響力は計り知れない。
 
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カーHCも「アンドレの復帰は多くの面で大きい」と期待を寄せる