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「今の自分は“過去最高のルディ・ゴベア”」最強守護神が語る、東京五輪で得た自信とジャズの課題<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.01.22

自己最高のシーズンを送るゴベア。そこには、東京五輪で得た経験が生きているという。(C)Getty Images

 現在、ウエスタン・カンファレンス4位につけているユタ・ジャズ。現地時間1月7日(日本時間8日、日付は以下同)のトロント・ラプターズ戦から4連敗と停滞したが、16日のデンバー・ナゲッツ戦で125-102と勝ち星をあげ、ひとまず連敗を食い止めた。そしてこの試合は、新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、約1週間欠場していたルディ・ゴベアの復帰戦でもあった。

 対戦前、ナゲッツのマイク・マローンHC(ヘッドコーチ)は「ゴベアがジャズのディフェンスにとっていかに重要であるかは、この4試合で明らかになった。4連敗し、大量に点を取られたのは、いつもの彼らの姿ではない」と、最優秀守備選手賞に3度(2018、19、21)輝いたフランス人センターを警戒。

 敵将からのこうした評価について、ゴベアは「コートにいる時よりいない時の方が、チームへの貢献を実感してもらえるようだ(笑)」と苦笑。この試合では18得点、19リバウンドと早速ダブルダブルを記録してみせた。
 
 ゴベアといえば、2020年3月11日、NBAで最初の新型コロナ陽性患者となったことを記憶している人も多いことだろう。昨年9月にワクチン接種は済ませているというが、風邪のような症状があったため5日のナゲッツ戦を欠場。その日行なった2度の抗原検査は2度とも陰性だったものの、翌日のPCR検査で陽性反応が出たため、ヘルス&セーフティプロトコル入りしていた。

 マローンHCの見解は、スタッツでも証明されている。ゴベアが出場していたそれまでの38試合と欠場中の4試合を比べると、後者はジャズの平均得点やリバウンドが減少し、逆に平均失点は増加していた。

 ゴベアはここまで平均リバウンドでリーグトップ、ブロックでも同2位と、ゴール下でのディフェンスでは今季も圧倒的な存在感を発揮。そしてそれだけでなく、3ポイントの得点分も加味したエフェクティブ・シューティング・パーセンテージ、そして2ポイント、3ポイント、フリースローをすべて合わせたトゥルー・シューティング・パーセンテージでもリーグ首位の73.2%を記録。これらはインサイドの選手の方が高い数字を出すとはいえ、ゴベアがいかに効率よく得点しているかを如実に示している。

 今季の平均得点とリバウンドは、ともにキャリアハイの16.0点、15.0リバウンド。この数字にはゴベア本人も「今の自分は"過去最高のルディ・ゴベア"という意識が自分でもある」と『AFP通信』とのインタビューで話すなど、自信を覗かせている。
 
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東京五輪でのプレーがオフェンス面の成長に影響