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シリーズをタイに戻したシクサーズは“完全体”ではない?リバースHCがヒートに警戒を促す「我々はまだエンビードのベストを見ていない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.05.09

ハーデン(左)の活躍もあり戦績はタイに。さらにエンビード(中央)も本調子ではない状況から、シリーズはシクサーズ優位と見る向きも。(C)Getty Images

 マイアミ・ヒートとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるイースタン・カンファレンス・セミファイナルは、第2戦を終えてヒートが2連勝を飾った。しかし、現地時間5月6日に行なわれた第3戦、右眼窩骨折と軽度の脳震盪のため離脱していたジョエル・エンビードがマスク着用で戦列復帰すると、シクサーズが99-79で圧勝した。

 この試合、エンビードはフィールドゴール5/12(成功率41.7%)の計18得点に終わるも、36分20秒コートに立ち、両軍最多の11リバウンドを奪取。「たとえ彼が本来の姿ではなくても、このチームをもの凄く助けてくれる」と語ったダニー・グリーンが7本の長距離砲を沈めて21得点と爆発したほか、タイリース・マキシーが21得点、6アシスト、ジェームズ・ハーデンが17得点、8リバウンド、6アシストと活躍し勝利に貢献した。

 一方のヒートはジミー・バトラーがゲームハイの33得点をマーク。しかしチーム全体でフィールドゴール27/77(成功率35.1%)、3ポイント7/30(成功率23.3%)とショットが低調に終わった。
 
「どんなチームであろうと、ホームやアウェーに関係なくジョー(エンビード)が出場すれば劇的に変わってしまう。彼はこれまでのキャリアでそれを証明している」

 かつてのチームメイトをそう評し、バトラーは敗戦を悔やんだ。

 そして迎えた8日の第4戦、エンビードは第1クォーターだけで15得点と好発進。さらにハーデンが見事なパス捌きに加え、代名詞のステップバックスリーを放り込むなどチームトップの31得点に7リバウンド、9アシストと大暴れ。両エースが躍動したシクサーズが116-108で接戦を制し、シリーズ戦績を2勝2敗の五分に戻してみせた。

「本当に何も変わっちゃいない。俺はショットを決めただけ」と平然と語ったハーデンだが、今季途中にブルックリン・ネッツからシクサーズへ加入後、30得点超えは2度目で、プレーオフでは初。フィールドゴール試投数18本は今ポストシーズン最多で、要所で3ポイントを突き刺したことも大きかった。これにはゲームハイの40得点を奪ったバトラーも「彼はいい選手。やるべきことをやってみせたんだ」とハーデンの活躍を称えている。
 
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「このシリーズでまだジョエルのベストを見ていない」とリバースHC