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アシスト数1位のストックトン、リバウンドに執念を燃やしたロッドマン…NBA歴代“職人チーム”を選定!<DUNKSHOOT>

出野哲也

2022.12.03

パサーのストックトン(右上)、シューターのミラー(右下)、リバウンダーのロッドマン(左)ら職人を選定。(C)Getty Images

 シュートスキルやディフェンス、複数のポジションをカバーできる能力など、オールラウンドな力が必要とされる現代のNBAだが、なかには一芸に特化したスペシャリストとしてリーグを生き抜く者も少なくない。
 
『THE DIGEST』の当シリーズでは、これまで様々なカテゴリー別にベスト5を選出してきたが、今回は自身のストロングポイントを磨いてNBA史に名を刻んだ、"歴代ベスト職人チーム"を紹介する。

【ポイントガード】
ジョン・ストックトン

1962年3月26日生。185cm・77kg
キャリアスタッツ:1504試合、平均13.1点、2.7リバウンド、10.5アシスト
通算1万5806アシスト(歴代1位)/アシスト王9回(歴代1位)

 PGの一番の仕事がプレーメイキングであるなら、史上最も多くのアシストを記録したストックトンこそ「最高の職人」にふさわしい。

 カール・マローンという信頼の置ける盟友を得て、ピック&ロールを駆使して積み上げたアシストは通算1万5806本。現役最多(歴代3位)のクリス・ポール(フェニックス・サンズ)より4700本以上も多く、今後更新される可能性は極めて低い。

 4年目の1987-88シーズンに平均13.8本で1位になって以降、9年連続でアシスト王のタイトルを戴冠。それよりもっと凄いのがアシスト率(チームのFG総数のうち、どれだけアシストを供給したかを示した割合)で、19年間で実に15回もリーグ1位だった。

 ストックトンにアシスト王の座を取って代わられたマジック・ジョンソンも、「彼ほどチームメイトを関わらせる方法を熟知している男はいない」と讃えている。観客を沸かせるような派手なパスには無関心で、ひたすら効率性だけを追い求めたあたりも、昔気質の頑固な職人のイメージにぴったりだった。
 
【シューティングガード】
レジー・ミラー

1965年8月24日生。201cm・84kg
キャリアスタッツ:1389試合、平均18.2点、3.0リバウンド、3.0アシスト
通算3ポイント成功数2560本(歴代4位)

 マイケル・ジョーダン、コビー・ブライアント、ジェームス・ハーデン(フィラデルフィア・76ERS)ら、SGには優秀なスコアラーが多いが、彼らはディフェンスも良かったり、アシストも多かったりする多才な選手たち。得点一本鎗の"スコアリング職人"となるとミラーが一番手だろう。

 守備が苦手ということはなく、通算1505スティールは史上50位。平均得点も1989-90シーズンの24.6点が最多で、ランキング上位10位以内はこの年だけ(8位)と、得点が飛び抜けて多かったわけではない。それでいて、なお点取り屋の印象が強烈なのは、ここ一番での勝負強さがずば抜けていたからだ。

 とりわけ有名なパフォーマンスは94年プレーオフのカンファレンス決勝第5戦、ニューヨーク・ニックス相手に1クォーターで25点を叩き出した試合と、翌年のカンファレンス準決勝第1戦、再びニックス相手に演じた「8.9秒で8得点」の離れ業だ。またフリースロー成功率でも5度リーグ1位に輝いたように、生粋のシューターだった。
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守備を磨いてスターターの座を勝ち取った名脇役