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NBAと“ラマダーン”。アービング、オラジュワン、ブラウンらが語る「シーズン中の断食との付き合い方」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.04.15

NBAでもラマダーン経験者は少なくない。昨プレーオフ中に断食に取り組んだアービング(左)は、交代時やハーフタイム中に食事を摂ったという。(C)Getty Images

NBAでもラマダーン経験者は少なくない。昨プレーオフ中に断食に取り組んだアービング(左)は、交代時やハーフタイム中に食事を摂ったという。(C)Getty Images

 現在、イスラム教社会では“ラマダーン”月の真っ最中だ。

 ラマダーンというと“断食”の印象が強いが、ラマダーン月とはイスラム教社会で使われている太陰暦、ヒジュラ暦における9月を指している。毎年9月には、日の出から日没にかけて飲食を断ち、食事を得られる日頃の恩恵に感謝したり、その恩恵に与れない人たちと同じ体験をすることで苦難を分かち合い、寄付や祈りを捧げる特別な月間だ。

 太陰暦と太陽暦はズレがあるため、毎年、太陽暦ではラマダーン期間が変わる。2023年は3月22日から4月21日まで(月の動きによって聖職者が公式に発表する)だが、これが1年で最も日が長い6月頃にあたるとかなり厳しい(たとえば北欧ノルウェーでは23時近くまで明るいから)。

 取り組み方も土地やコミュニティ、家族、個人によって様々。自分の唾液すら飲まずに吐き出すという厳格な人たちもいれば、なかには普通に食事している人もいる。
 
 日本にいると、身近に感じることは少ない。だがしかし、モロッコ・メディアの調べでは、今年4月の時点で全世界でのイスラム教信者の数は20億人を突破。約80億人いる全人口の4分の1を超えている。

 イスラム教を国教とする中東や東南アジア、アフリカ大陸北部の国々以外にも、移民や改宗する人たちで信者は増えていて、現時点で一番多いキリスト教信者の約24億人に迫る勢いだ。何年か前、イギリスで生まれた新生児の名前で男子の1位が、典型的なイスラム名である“モハメッド”だったのも、それを象徴している。

 アスリートにもイスラム信者が多い欧米のスポーツ界では、この期間中は「ラマダーンにはどう対応しているか?」という話題が日常的に交わされる。イスラム教を主な信仰とする国であれば、トレーニングや試合はすべて日没後にするといった調整も可能だが、そうでない場合は、チーム内でイスラム教の選手だけが、対応しなくてはならないからだ。

 2021年からイスラム教を信仰しているダラス・マーベリックスのカイリー・アービングは、レギュラーシーズン終盤を断食しながら戦っていた。最終的にマブズはポストシーズンから脱落してしまった。だが、サクラメント・キングスとの激戦を制した4月5日の試合で、アービングはゲームハイの31得点をあげる活躍。この試合後、彼は「ハーフタイム中に(食べ物を)口に入れることができてよかった。そこから気合を入れ直した」と語っている。
 
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