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「今がLAにいるのにふさわしい時」ジャーニーマン化していたハワードが古巣レイカーズで復活できたワケ

ダンクシュート編集部

2019.12.16

かつては平均20点、10リバウンドを叩き出すスターだったが、今夏のレイカーズ移籍を機に優秀なロールプレーヤーに生まれ変わった。(C)Getty Images

「NBA史上最高のセンター」「シャキール・オニール二世」「スーパーマン」――。かつてドワイト・ハワードに付けられた形容詞の数々だ。リーグを背負って立つと思われていた逸材も34歳。近年は目まぐるしくチームを変えるジャーニーマンと化していたが、7年ぶりに凱旋したロサンゼルスが彼にとって"安住の地"になるかもしれない。

 2004年ドラフト1巡目1位指名でオーランド・マジックに加入したハワードは、ルーキーイヤーから全82試合に先発出場して平均12.0点、10.0リバウンドをマーク。瞬く間に、のちにバスケットボール殿堂入りを果たすグラント・ヒル、ジャミーア・ネルソンやヒドゥ・ターコルーらとともにチームを牽引する主力に上り詰めた。

 2008-09シーズンにはリバウンド王(13.8本)とブロック王(2.92本)の2冠に輝き、最優秀守備選手賞を獲得。NBAファイナルにも進出したが、コビー・ブライアントとパウ・ガソルを擁するロサンゼルス・レイカーズに1勝4敗で敗れ、フランチャイズ史上初のタイトル獲得は夢に終わった。結果的にこの年がハワードにとってキャリアの絶頂で、徐々に下降線を辿っていくことになる。
 
 翌シーズンこそカンファレンス決勝まで勝ち上がったが、その後は2年連続でプレーオフ1回戦敗退。そして2012年8月、マジック、レイカーズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、デンバー・ナゲッツの4チームが絡む大型トレードでレイカーズ入りした。しかし、大騒動の末の移籍はリーグに混乱を招き、多くのファンから反感を買って、"ドワイトメア"(ハワードの名前ドワイトと、悪夢を表すナイトメアを掛け合わせた造語)と呼ばれるように。移籍1年目は平均17.1点、12.4リバウンドを挙げるも、プレーオフ1回戦でサンアントニオ・スパーズにスウィープ負けを喫し、コビーとのコンビはわずか1年で解消となった。

 2013-14シーズンにFAでヒューストン・ロケッツと契約後、近年はアトランタ・ホークス、シャーロット・ホーネッツ、ワシントン・ウィザーズと渡り歩くジャーニーマン化。今季開幕前にメンフィス・グリズリーズへトレードされ、解雇されたことで7年ぶりにレイカーズ復帰を果たした。

 今のレイカーズには"キング"ことレブロンはもちろん、リーグ屈指のビッグマンの1人であるアンソニー・デイビスがいる。ハワードに与えられた役割は伸び盛りの26歳のバックアップ役で、平均19.8分出場、6.7点、7.0リバウンドはいずれも自己ワーストの数字。それでも、ハワードはベンチから同僚に熱い応援とコーチングを送り、ミルウォーキー・バックスとリーグ首位争いを繰り広げるチームの重要なピースになっている。