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NBA

今季絶好調もトレードの噂が絶えないレイカーズ。”常勝”を義務づけられた球団のチーム運営方法とは

北舘洋一郎

2020.01.12

ここまでウエスト首位を走っているレイカーズだが、それでも補強の噂が絶えない。(C)Getty Images

ここまでウエスト首位を走っているレイカーズだが、それでも補強の噂が絶えない。(C)Getty Images

 ここまでウエスタン・カンファレンス首位をキープしているロサンゼルス・レイカーズ。チームはここまで好調だが、その一方でなぜか補強の噂が絶えない。

 現在、トレード候補として名前が挙がっているのが、昨夏にワールドカップのアメリカ代表の練習参加時に故障してしまったことで、開幕までに万全なコンディションに持っていけなかったカイル・クーズマ。今季はやや伸び悩んでいるが、将来への期待感とタレント性は、レイカーズにとってみればダイヤモンドの原石だ。

 しかし、レイカーズはそういった若い宝を、時に補強のための交換対象として使ってしまうことが多々ある。昨オフにはロンゾ・ボール、ブランドン・イングラムといったプロスペクトたちが、アンソニー・デイビスとのトレードでニューオリンズ・ペリカンズに放出された。
 
 今のところ、クーズマの交換相手として名前が出ているのはベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、アンドレ・イグダーラ(メンフィス・グリズリーズ)など。大黒柱レブロン・ジェームズの負担を軽減できる選手たちであり、また来たるべきプレーオフでの切り札となり得る存在だ。

 火のないところには煙は立たない。ロサンゼルスはニューヨークと同じようにこの手の噂が大好きな土地柄であり、実際にあり得ない話でもなさそうだ。

 そもそもレイカーズというチームは、将来有望なスター候補を磨いて育てようという考えはあまりないように思える。過去を振り返ってみると、すでにスーパースターとなることが保証されるレベルのヤングタレント――マジック・ジョンソンとコビー・ブライアント――に手塩をかけたことはあった。彼らだけはルーキー時代から引退まですべてを託していたが、長いレイカーズの歴史のなかでも稀な存在だったと言えるだろう。

 レイカーズの今の戦略は「まずは1度優勝する、連覇はその次に考えよう」というニュアンスを感じる。誰かを軸にして長期スパンにわたり強豪に君臨していくんだという、昨季までのウォリアーズがやっていたような手法とは違う。
 
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