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NBA

2000年代の黄金時代を知る新指揮官の下、「愛情をもって接する集団になった」キングス。勝負のポストシーズンへ<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.04.10

新戦力のラビーンを中心に、プレーイン・トーナメントから第8シード獲得を狙うキングス。(C)Getty Images

新戦力のラビーンを中心に、プレーイン・トーナメントから第8シード獲得を狙うキングス。(C)Getty Images

 指揮官の交代、エースPGの移籍など、激動のシーズンを送るサクラメント・キングスが着実に歩みを進めている。

 3月29日からのロード6連戦は、最初の3試合で連敗するも、その後は3連勝。5戦目にはイースタン・カンファレンス首位のクリーブランド・キャバリアーズも破る金星(120-113)をあげ、7~10位のチームで争われるプレーイン・トーナメント出場を確定させた。

 この遠征直前、ホームで4連敗を喫した時点では黄信号が灯り、チーム状況も悪化していた。ボストン・セルティックス戦後の会見に登壇したザック・ラビーンは、ロッカールームの様子を聞かれて、「雰囲気は良くないね」ときっぱり答えている。

「個人としても、チームとしても、満足いくパフォーマンスができていないのだから、良いわけがない。でも次の試合はすぐにまたやってくる。 今はまさに正念場だよ」

 しかしその後のロード連戦中に、チーム内に変化が起きた。
 
 イースト最下位のワシントン・ウィザーズにも敗れてどん底の気分を味うと、選手たちは話し合いの場を持ち、結束力を高めたのだという。ロードの転戦中で、常に行動をともにし、一緒に食事を取るという環境にあったことも功を奏した。

 デトロイト・ピストンズを破って3連勝で遠征を締めくくったあと、ダグ・クリスティー暫定HC(ヘッドコーチ)は厳しい時期をこう振り返っている。

「あの時点で、我々には話し合うべきことがたくさんあった。それもゲームの一部であり、そうした部分も向上させる必要があった。苦難の時期があったからこそ、そのことに気づき、向き合うことができたんだ」

 連敗をストップした試合後、指揮官は選手たちにこう声をかけたという。

「私は君たちのことを心底誇りに思う。若い集団である君たちが集まって、腹を割って話し合い、お互いを信頼してコートに立って自分たちが交わした言葉を行動で示してみせた。そのことにとても感銘を受けた」

 クリスティーHCは、移動中の飛行機やバスの中での選手の様子から、「お互いを認め合い、信頼し、愛情をもって接する集団になったことを感じ取ることができた」とも語っている。
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