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ユーロリーグのスターガード、TJ・ショーツが来季NBA参戦か。移籍候補グリズリーズの新指揮官とは旧知の仲<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.05.16

今季パリでプレーしたショーツは、ユーロリーグでアシスト1位、得点4位の活躍を見せた。(C)Getty Images

 今シーズン、ユーロリーグで鮮烈な活躍を披露したパリ・バスケットボールのアメリカ出身ポイントガード、TJ・ショーツに、NBAメンフィス・グリズリーズ行きの噂が浮上している。

 かつてサンアントニオ・スパーズなどで活躍したティアゴ・スプリッターが指揮を執るフランスのクラブ、パリ・バスケットボールは今季、ユーロリーグ初参戦ながら、開幕直後に10連勝を飾るなど快進撃を見せ、プレーインを経てプレーオフに進出。惜しくもトルコの強豪フェネルバフチェに敗れたが、欧州のバスケ界に新たな旋風を巻き起こした。

 そのチームでエース格を担ったのがショーツで、昨季から同チームに所属する27歳はシーズン平均19.0点に7.3アシストでいずれもチーム最多を記録。アシストはリーグ首位、得点は4位、評価指数(PIR)22.8は昨季サクラメント・キングスに所属したサーシャ・ヴェゼンコフ(オリンピアコス)に次いで2位と、主要部門でリーグトップクラスの数字を叩き出した。

 そうした数字だけでなく、チームを盛り立てるガッツにあふれ、身長175cmと小柄ながらクラッチタイムに頼れるエースとして存在感を発揮した彼は、各節のMVP4回、月間MVP1回、そしてレアル・マドリーを下したプレーインでもMVPと、数々の個人賞を手にし、オールユーロリーグ1stチームにも選ばれた。
 
 ゆえに欧州の数多の強豪クラブから熱い視線を送られているのは当然なのだが、欧州メディアが伝えているところによると、このオフにNBA行きの可能性も出てきているという。

 その行き先は、メンフィス・グリズリーズ。チームを率いるのがトゥオマス・イーサロというところで合点がいく。

 テイラー・ジェンキンスHC(ヘッドコーチ)の電撃解任に伴い、アシスタントコーチから代理HCに昇格、その後正式に来季の指揮官に任命されたイーサロは、欧州時代にドイツのテレコム・バスケット・ボン、続くパリ・バスケットボールですでにショーツと共闘している。

 テレコム・バスケットでは2023年にバスケットボール・チャンピオンズリーグ(BCL)、24年にはパリ・バスケットボールでユーロカップ優勝を果たしたが、いずれの大会においてもショーツはMVPに輝いた、いわばイーサロの懐刀だった。
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アメリカの大学卒業後、欧州を転戦しキャリアアップ