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NBA

MVPに嫌われたスーパースター――。なぜコビー・ブライアントは1度しかMVPを受賞できなかったのか?

大井成義

2020.04.01

2000年代前半は実力者のシャックがチームメイトだったため、MVP投票でコビーに票が集中することはなかった。(C)Getty Images

2000年代前半は実力者のシャックがチームメイトだったため、MVP投票でコビーに票が集中することはなかった。(C)Getty Images

 まずは、MVPの歴史と選出方法の説明から。NBAの前身、BAAの創設が1946年、その10年後の1955-56シーズンにMVPが新設された。それから1979-80シーズンまでの25年間は、なんとNBA選手の投票によって選ばれていたそうだ(自分自身およびチームメイトへの投票は不可)。

 その後、アメリカやカナダで活動するメディア関係者、具体的にはスポーツライターとブロードキャスターの投票によって選出されることになり、そのシステムが現在まで続いている(2009-10シーズンから、ファンのオンライン投票による1票が加えられた)。

 投票権を持つメディアの数は、シーズンによって増減があり、2018-19シーズンはちょうど100人。そのメンバーは、同年の新人王やシックスマン賞など、他の主要アウォードの投票も行なう。
 
『NBA.com』内を根気よく探せば、各年の投票者リストと個々の投票内容が記載されたPDFを入手することが可能だ。そのリストには、マーヴ・アルバートやマイク・ブリーン、ドリス・バークといった、アメリカを代表するNBAトップアナウンサーやキャスターの名前が載っていたり、『TNT』のレジー・ミラーや『ESPN』のジェイレン・ローズなど、引退後にテレビの世界で活躍している元NBA選手も6、7人、名を連ねていたりする。

 その100人が、1位から5位までの選手を選び、レギュラーシーズン終了直後に投票を行なう(ミラーはプレーオフ終了後の投票を主張している)。1位に10点、2位7点、3位5点、4位3点、5位1点が与えられ、その合計点数で毎年のMVPが決まるという仕組みだ。
 
 投票の時期になると、MVP候補選手が在籍するチームのPR担当者から投票権を持つメディアに対し、遠回しに電話がかかってきたり、グッズが送られてきたりといったロビー活動も普通に行なわれているそうだ。
 
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