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NBA

NBAに参戦するファクンド・カンパッソとは何者か。世界最高峰のトリッキーなプレーは一見の価値あり

小川由紀子

2020.12.06

レアルではスペイン代表の主力選手らとともに黄金時代を共有。本人も「このクラブが今の自分に育ててくれた」と感謝を惜しまない。(C)Getty Images

レアルではスペイン代表の主力選手らとともに黄金時代を共有。本人も「このクラブが今の自分に育ててくれた」と感謝を惜しまない。(C)Getty Images

 また、レアル復帰後はルディ・フェルナンデスやセルヒオ・ユール、フェリペ・レジェスらスペイン代表の中核メンバーと主軸を担い、18年にユーロリーグと国内リーグを制覇。翌年もACB連覇、ユーロリーグではファイナル4進出という、チームの黄金期を共有できた。

「レアルは自分にあらゆるものを与えてくれた。人としても選手としても、このクラブが、今の自分に育ててくれた。ここで俺は、多くの友人や仲間、経験、そしてトロフィーを手に入れることができた。そしてそれこそがレアルが偉大なクラブたるゆえんだ。入団した頃と今の自分を比べると、その成長具合に自分でも驚いている。本当に感謝しているよ」

 レアルでのユーロリーグ最終戦となった11月20日の第10節フェネルバフチェ戦では、12アシストと持ち味を存分に発揮し勝利に導いた。フェネルバフチェは18年のファイナルでタイトルを競い合ったライバルチーム。その相手に20点差をつけての勝利は、アメリカへ旅立つカンパッソにとって格好の花道となったことだろう。
 
 カンパッソの持ち味は、クリエイティビティあふれるプレーと、それを支えるスタミナ、そして献身性だ。180cmの身長はNBAでのコートでは彼を一層小柄に見せるかもしれないが、フリーの仲間を瞬時に見つける視野の広さとスピーディーに展開する彼のプレーメイクは、必ずやアメリカのファンを虜にするだろう。ナゲッツにはリーグ最高のポイント・センター、ニコラ・ヨキッチがいるだけに、ぜひとも2人の絶妙なコンビプレーを期待したい。

 NBAでは2018年にマヌ・ジノビリが引退して以来のアルゼンチン人選手が誕生することになるが、ひょっとすると、今後すぐに同胞の後輩も後を追うかもしれない。

 同じくレアルに所属する25歳のフォワード、ガブリエル・デックだ。現在デックはレアルと契約延長交渉中で、その結果次第では、今オフのNBA行きもあり得るとスペインメディアは報じている。2018年のレアル入団時の契約は3年だが、契約内容には、今オフにNBAに移籍できる条項が盛り込まれているというのだ。
 
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