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NBA

“ネクスト・ヤニス”ジョナサン・クミンガ。靴すら買えなかった少年が“未来のMVP”と称されるまで<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.01.16

 当時の指導者の1人、アンディー・ボーマンはクミンガについて「穴がない選手」と描写している。

「彼はコートの両サイドで力を発揮できる。傑出しているのはプレーにかける強い意志だが、とりわけディフェンスへの意欲は並々ならぬものがあった」

 クミンガはポジションに関係なく相手のベストプレーヤーをマークすることを己に科し、コーチが他のマッチアップを考えていたとしても「もし必要としてくれるなら、僕が封じてきます!」と言ってのけ、実際にそれを実践していたという。

「このくらいの年頃の選手はオフェンスに意識が向くのがほとんどだから、その意味でも異才だったね。そしてもちろん、攻撃面もすばらしい。ディフェンスが1枚しかつかない試合では、決まって25~35点くらい取ってくるんだ。しかし大抵彼にはダブルチームかトリプルチームがつく。それをかわしてシュートするだけのビジョンを彼は持っていた。これからもどんどん成長するだろうが、16歳にしてこれは凄いよ」
 
 その頃のクミンガは、1番から5番までこなしていた。

 アメリカ国内で最高峰のユースコンペティションを言われるナイキEYBL(エリート・ユース・バスケットボールリーグ)では、7月のトーナメント、ピーチジャムで平均27.4点、6リバウンドという見事なスタッツを記録し注目を集めた。ちなみに、平均21.3点、8アシスト、7.8リバウンドというオールラウンダーぶりでクミンガと評価を二分したのが、ドラフト1位のケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)だ。

 オーバーン大、 テキサス工科大、ケンタッキー大、そしてコーチK(マイク・シャシェフスキー)率いるデューク大からもオファーを受けたクミンガが高校卒業後に選んだ進路は、新設されたばかりのGリーグ・イグナイト。昨年のドラフトでヒューストン・ロケッツから2位指名されたジェイレン・グリーンや、31位指名(ミルウォーキー・バックス)のアイザイア・トッドもチームメイトだった。
 
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