ビールは会見で「僕はNBAのことを『僕のチームだ』、『あそこは君のチームだ』なんて見ていない。チーム全員でやっていくことなんだ。みんなで競い合っていかなきゃいけない」と語ったが、新天地のサンズは“ブッカーのチーム”と認識しているようだ。

「けどここは“ブック・ネーション”だ。僕はここが彼（ブッカー）のアリーナだと思っている。楽しみだよ。（ブッカー、デュラントという将来の）殿堂入り選手たちとプレーできることにワクワクしているんだ。こんなの初めてだからね。彼らが僕の背中を押してくれるだろう」

　近年、ビールはオフをケガの回復に充ててきたが、今夏は久々に健康体でワークアウトに励むことができるという。
  　現時点におけるサンズの予想スターターは、バックコートにブッカーとビール、フロントコートにデュラント、エイトン、ジョシュ・オコーギーという布陣。

　もっとも、入団会見に同席したフランク・ヴォーゲル新HC（ヘッドコーチ）は「ビールとブッカーが先発バックコートを務めることに満足している」としながらも、「５番目のスポットはキャメロン・ペインか別のポイントガード、あるいは３番か４番（フォワード）にディフェンダーを加えるかを模索することになるだろう。それはキャンプで決めていく」と話していた。

　ビッグ３のポジションは、ブッカーとビールがシューティングガード、デュラントがスモールフォワード／パワーフォワードだが、彼らはボールハンドラー役をこなす場面も多く、時間帯によってはポイントガードを務めることもある。

　そのため、指揮官は「複数のボールハンドラーたちがアタックしていくことになる」と来季のオフェンスについて示唆していた。

　30日のFA（フリーエージェント）交渉解禁に向けて、サンズがどのような選手たちをロスターへ加えていくのか。今後の展開からも目が離せない。

文●秋山裕之（フリーライター）

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