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NBA

ヘッドコーチの最も重要な仕事とは?名将・名手たちが語った“勝てる指揮官“の条件

北舘洋一郎

2020.04.14

カリー(左)はかつて師事したジャクソン(右)、そして現在ウォリアーズを指揮するカーの指導方法の違いについて語った。(C)Getty Images

カリー(左)はかつて師事したジャクソン(右)、そして現在ウォリアーズを指揮するカーの指導方法の違いについて語った。(C)Getty Images

 また、デトロイト・ピストンズ時代の1995~98年にコリンズの下でプレーしたグラント・ヒルは「“チームプレーでしか結果は出ない”という信念があるから、HCにはチームプレーで勝つための仕組みを作ってもらいたい。デューク大時代にコーチK(マイク・シャシェフスキー)からそう指導を受けたことが、プロになっても自分の基礎にはある」と話す。

 そのため、ヒルとコリンズの考えはすべてが合致しなかった。コリンズはヒルに「ジョーダンのようにもっと1人で試合を支配する選手であってほしい」と思っていたが、ヒルはどうやってチームメイトを生かし、そのなかで自分は試合をコントロールする役目を担うことを考えていたという。
 
 元ロサンゼルス・レイカーズのコビー・ブライアントは「俺がこういう性格だから、フィル(ジャクソン/元ブルズ、レイカーズHC)がいないと収拾がつかなかった。まして、あの頃のシャック(シャキール・オニール/元レイカーズほか)と俺は、フィルがいたから3度の優勝ができたようなものだ」と話していた。

「フィルからバスケットボールの技術を教わった記憶はないね。彼から教わったのは、バスケットボールで勝利するための術だった。こうすれば勝てるし、こうすれば負ける。いつも試合ではその積み重ねをしていて、それが身についてくると負けないチームになってくる。面白い実験のようなものだったよ」

 2009年のNBA入りからゴールデンステイト・ウォリアーズ一筋で過ごすステフィン・カリーは、マーク・ジャクソンとスティーブ・カーがHCだった時代をこう話す。

「マークはあまり論理的ではなかったかもしれないが、選手に想いを託していた。下位チームから強豪球団へと駆け上がらなければならない時期だったから、オフェンスにチームのすべてが偏っていたのは事実だ。僕もクレイ(トンプソン)も、マークに信頼されて、あれだけのシュート機会を作ってもらったことで今がある。スティーブは優勝請負人として指揮官に就任したから、プレーの話よりも、勝つためのメンタルやどうやってチームディフェンスを完成させていくか、ということによりフォーカスした話をしたよ」
 
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