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NBA

“マジックに守備の秘訣を伝授した男”マイケル・クーパー。歩行すら困難だった少年が、レイカーズの主力となるまでの軌跡【NBA名脇役列伝・前編】

出野哲也

2020.09.07

「クープはディフェンスの秘訣を僕に伝授してくれた」

 そう感謝するマジックは、続けてこう話す。

「練習で彼にマークされると一切手抜きができなかった。どんな対戦相手もクープに比べれば楽だったから、試合では牢獄から解き放たれた囚人のような気持ちになれたよ(笑)」

 そのマジックとクーパーは、チーム内で一番の親友同士でもあった。「大人になってから、これほど長い時間を共有した友はいない。バスに乗る時も飛行機も、いつも一緒だったよ」とマジック。もちろんコート上での相性も抜群で、マジックのパスを受けて決めるアリウープは、名物アナウンサーのチック・ハーンによって“クープ・ア・ループ”と命名された。
 
 マジックが42得点、15リバウンド、7アシストの大活躍で優勝をもたらした1980年のファイナル第6戦では、クーパーもチーム3位の16得点をマーク。第4クォーターにはフィラデルフィア・セブンティシクサーズの巨漢センター、ダリル・ドーキンスに倒されて意識が朦朧となりながらもフリースローを決めるなど、彼もまたNBA制覇の一翼を担った。(後編に続く)

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2014年10月号掲載原稿に加筆・修正。

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