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NBA

大物はハワード1人も、スミス、ブヤチッチなどコート外で話題を振りまいた脇役を輩出した2004年【NBAドラフト史】

大井成義

2020.10.28

9位指名のアンドレ・イグダーラはディフェンスに長けたオールラウンダーとして活躍。2015年ファイナルではMVPに。(C)Getty Images

9位指名のアンドレ・イグダーラはディフェンスに長けたオールラウンダーとして活躍。2015年ファイナルではMVPに。(C)Getty Images

 キャラクターもプレースタイルも対照的な2人のドラ1候補。調べてみると、下馬評ではオカフォーの1位指名を予想する声が多かったようだ。例えば、全米で指折りのカレッジバスケットボール・アナリスト、ジェイ・ベイルは当時nba.comのコラムのなかで、「1位指名は明らかにオカフォーだろう。その理由は、彼から何を得ることができるか、すでにはっきりとわかっているからだ」と述べている。

 6月24日、マディソンスクエア・ガーデンで開催されたNBAドラフトで、1位の栄冠を手にしたのは、大方の予想に反しハワードだった。デイビッド・スターンNBAコミッショナーがハワードの名前を読み上げると、会場には喝采よりもブーイングの声が大きく鳴り響いた。コネティカット大からマンハッタンまでは車で数時間、ハスキーズ(コネティカット大の愛称)の熱狂的ファンが大挙して押しかけたのかもしれないが、それだけではなく多くのNBAファンはオカフォーの1位指名を期待していたのだろう。

 前年のレブロン・ジェームズに続き、2年連続でのプレップ・トゥ・プロ(高校から直接NBA入りすること)1位選手の誕生である。その2年前はクワミ・ブラウンが1位指名されており、今はなきプレップ・トゥ・プロのムーブメントが隆盛を極めていた時代でもあった。
 
 2位のボブキャッツはオカフォーを、続いて3位のブルズはゴードン(コネティカット大3年)、4位のクリッパーズはリビングストン、5位のウィザーズはデビン・ハリス(ウィスコンシン大3年)をそれぞれ指名。

 ハワード獲得の決断を下したマジック首脳陣の1人、上級副社長のパット・ウィリアムズは、1992年のシャキール・オニール、93年のクリス・ウェバー、そして2004年のハワードと、わずか12年の間に3度も1位指名権を引き当てた強運の持ち主だ。ラッキーアイテムはラビットフット(ウサギの足のお守り)と四葉のクローバー。〝ミスター・ロッタリー〞というニックネームを持つ彼が、ハワードの1位指名に関し、次のように述べている。

「オカフォーは2位で指名され、カレッジにおける勝者であることを証明した。ハワードは将来有望な若者だ。ヤングスターをスルーしちゃいけない、そう私は過去から学んだよ。後々苦い思いをするかもしれないからね。コビー(ブライアント)を12チームがパスした。ジャーメイン・オニールを16チームが、(ケビン)ガーネットを4チームがパスしている。(パスしたチームは)後味が良くないだろう。だから、気をつけなくちゃいけない。(若い選手の選別については)よくよく注意を払うんだ」
 

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