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NBA

大物はハワード1人も、スミス、ブヤチッチなどコート外で話題を振りまいた脇役を輩出した2004年【NBAドラフト史】

大井成義

2020.10.28

新人王を受賞したのは2位のエメカ・オカフォー。しかし1年目をピークに成績は下降し、わずか9年でリーグを去った。(C)Getty Images

新人王を受賞したのは2位のエメカ・オカフォー。しかし1年目をピークに成績は下降し、わずか9年でリーグを去った。(C)Getty Images

■コート外で話題を振りまいた下位指名の脇役選手たち

 NBAドラフト関連の調べ物をしていると、「〇年のドラフトを今やり直すとすれば」といった内容の企画ページに出くわすことがままある。ドラフト前の評価とプロ入り後の働きを比較し、指名順の妥当性についての検証や解説を真面目に行なっているものから、ジョークや嫌味でネタにしているものまで、方向性は様々だ。もちろん、選手がプロ入り後に負ったケガなど仕方のない部分もあるゆえ、新たな順位はそれほど大きな意味を持たないが、ひとつの目安として見る分には興味深い。

 大手ドラフトサイトやバスケ専門サイトのなかに、2004年の再ドラフトを掲載しているところがいくつかある。執筆した時期によって順位は違ってくるだろうが、トップ10はこんな感じだ(括弧内の数字は実際の指名順位)。

 1位ハワード(1)、2位アンドレ・イグダーラ(9)、3位アル・ジェファーソン(15)、4位ルオル・デン(7)、5位ジョシュ・スミス(17)、6位ケビン・マーティン(26)、7位エメカ・オカフォー(2)、8位アンダーソン・ヴァレジャオ(30)、9位トニー・アレン(25)、10位ジャミーア・ネルソン(20)。

 このリストを見る限り、1巡目後半に指名された選手の活躍が目立つ。2004年のドラフト組は、少々期待外れに終わった上位指名選手と、期待以上の活躍を見せた下位選手のコントラストが目についた、そんな年だったようだ。
 
 また、この年のドラフト組からは、コート外で話題を振りまいた選手も何人か出現している。それも大物選手ではなく、コートでは脇役的な選手が主役を演じているところが味わい深い。

 女子プロテニス界一の美女、マリア・シャラポワと婚約するも、2年で破局を迎えたサーシャ・ブヤチッチ(27位)。お騒がせセレブのキム・カーダシアンと1000万ドルもの費用をかけて結婚式を挙げながら、72日間というスピード離婚を決め、マヌケっぷりを世に晒したクリス・ハンフリーズ(14位)。レブロン・ジェームズの母親との性的関係が取り沙汰された、痛すぎるデロンテ・ウエスト(24位)。最低なのが、無謀運転による交通事故で同乗者を死に至らしめたJR・スミス(18位)。

 そして極めつけは、差し押さえられた自宅が新たな買い主の手に渡ったというのに、立ち退きを拒否して籠城を続け、最後には訴えられたロバート・スウィフト(12位)。その後も違法ショットガンの所持や、武装しての押し込み強盗、麻薬所持などで繰り返し逮捕されている。純朴そうな坊主頭の白人青年が、タトゥーだらけのワイルドな風貌へと変わっていき、ヘビーな犯罪を重ねていく様に「いったいどうしちゃったんだ?」と思っていたが、まさかここまでおかしくなるとは思ってもいなかった。

文●大井成義

※『ダンクシュート』2017年2月号掲載原稿に加筆・修正。

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