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国内バスケ

弟は現役NBA、父はバレーの代表監督――琉球ゴールデンキングス、キム・ティリが語るBリーグ<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.04.05

 肝心のプレーについてだが、「僕のポジションでは、ここでのバトルはハードだ。特に毎週、僕がマッチアップするのは平均20点マークしているような相手がほとんどだから、なかなか厳しい」とやりがいを感じている様子。

 Bリーグのレベルを聞かれると、「日本人選手はものすごくスピードがあって、テクニックも高い。ゲームとしては、フィジカル的な要素も強いし、展開がスピーディーで、よく走る。それから、毎週土日に同じ相手と試合をして、たまに水曜にも試合がある。9日間に5試合をこなすこともよくあって、そのリズムにいかに順応していけるかも大きなポイントになってくると感じる」と印象を語った。週に1試合、多くても2試合というペースが主流の欧州リーグ出身選手にとっては、週3試合のリズムは、慣れるまで調整が必要だろう。

 また、「すごく好感が持てるのは、場を盛り上げようとショータイムにも工夫を凝らしていること」とも語る。「レーザーやスモーク、音楽を使ったり演出も凝っていて、おかげで毎試合、ものすごく良い雰囲気の中で戦うことができているんだ」というティリからは、コートの中でも外でも、充実した日本生活を送っている様子が伝わってくる。
 
 今回のように様々な国のリーグを体験している選手から話を聞くことで、自国のリーグがどのように捉えられているかを知るのは興味深い。プレー面だけでなく、ティリが挙げたショータイムなどの環境面について他国の選手からこうしたフィードバックを得ることは、Bリーグをより魅力のあるリーグに発展させていくヒントにつながる。

 同時に、ティリのような選手がこうした発信をすることは、彼と同様、Bリーグを遠い国の未知のリーグと感じている国外の選手たちにとって、貴重な参考情報になるはずだ。

 2016年に発足したBリーグも、徐々にユーロリーグやNBA経験者が増えつつある。アンドレス・イニエスタが在籍するサッカーのJリーグや、現役オールブラックスが参戦するラグビーのトップリーグのように、海外のスター選手たちも魅力を感じるリーグへと成長する過程にあるのだろう。

文●小川由紀子
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