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日本代表

東京五輪で注目!世界の女子バスケ事情を、海外チーム参戦を目指す“桜花出身”山田愛がリポート

THE DIGEST編集部

2021.08.20

【3人制バスケ】
 オーストラリアでもアメリカでもヨーロッパでも、街中にバスケットコートがあり、3人制のバスケ(3×3)の試合をよく見かけていました。私も「3×3ハッスル」というオーストラリアの代表選手たちが出る有名な大会に参戦しました。この時に代表選手と対戦しましたが、身体が大きくて力強く、3ポイントの確率が良くレベルが高い。また、登録すれば誰でもチームを作って挑戦できるので、一般の人でも代表クラスの選手とプレーができるのです。

 自分自身が海外のバスケットにチャレンジすることで、世界の様々なバスケ環境が見えてきました。日本と特に異なるのは環境だと思います。まずバスケをやる場所(コート)が多いこと。コートが自由に使用できて練習できる環境があります。

 そして選手のバスケに対しての考え方の違いにも驚きました。アメリカの代表選手で39歳のダイアナ・タラシ選手、40歳のスー・バード選手を見てもわかるように選手寿命が長いのです。その理由のひとつは、バスケに対しての考え方、徹底したコントロールだと思います。

 結果を出すことこそがプロで、そのために自分に合った練習量や生活を自分でコントロールしています。練習量が自分にとって多いと思ったら参加しないこともあります。結果を出すことは全て自己責任という文化があるのです。これは海外で選手と話していて、一番驚いた部分です。
 
 今回のオリンピックでの活躍を受け、海外へ目を向ける、挑戦する日本人選手も今後増えていくかもしれません。私が経験してきたなかで、絶対に身につけておいた方がいいと思ったのは「英語」です。私は1年間オーストラリアにいたので、監督の言っていることや選手同士でコミュニケーションが取れるようになりました。

 チーム内でのコミュニケーションのためには絶対に必要な能力です。現在、世界を目指すジュニアアスリートに向けた英語支援プロジェクトのサポーターとして参加し、ジュニアアスリート達と楽しく英会話をしたりして、一緒に英語を学んでいます。将来スポーツで海外に挑戦したいと思っている選手は、何歳からでも英語の勉強を始めることをお薦めします。

 オリンピックで私自身が日本代表の活躍にパワーをもらいましたし、女子バスケの魅力が広がることは喜ばしいことです。私はいくつか海外チームからオファーをいただいたものの、コロナの影響でリーグが開催されなかったり、契約がことごとく無くなってしまったりと、苦しい状況が続いています。

 でも、機会がつぶされても海外でプレーできるように何度でも挑戦し続ける姿を見て応援していただけたら嬉しいですし、将来海外に挑戦する選手たちのために、頑張って道を作ることができたら、と思っています。

【PHOTO】初の決勝進出!快進撃を続けるバスケットボール女子日本代表ベストショット!

【山田愛 Ai Yamada】
1995年7月17日、三重県出身。桜花学園高校で三冠を達成。世代別日本代表U16アジア選手権で優勝。U17世界選手権で4位。卒業後、JXサンフラワーズ(現・ENEOSサンフラワーズ)に入団し日本一を経験したがケガにより2019年に退団。その後、オーストラリアでバスケを再開。海外で活躍するプロ選手を目指し、2020年、21年とオーストラリアでプロ契約したが、コロナでリーグが開催されなかった。ヨーロッパ・アメリカなどでも契約予定だったが、コロナでことごとく契約ができず、現在は海外活動を支援してくれるスポンサーを探しながら、海外プロプレーヤーとしての活動再開を目指す。
 

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