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NBA

好調の弟フランツを支える“偉大な兄”モリッツ。マジックの指揮官が語る“ヴァグナー兄弟の絆”<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.12.31

 206cmの身長よりも長いウイングスパン(213cm)を持つ彼は、11月のブルックリン・ネッツ戦では6スティールを記録している。

 オーランドで、ヴァグナー兄弟は一緒に家を借りて、2人で住んでいる。コートを離れれば、料理をしたり街に出かけたり、家でテレビを観たりと、どこにでもいそうな兄弟の日常を2人は送っているという。

「バスケの話ばかりするのではなく、一緒に過ごせる相手がいるのはとてもいいことだと思う」とフランツ自身も語っているが、プロ初年度にNBAの先輩である兄がすぐそばにいてくれるというのは、理想的な環境であるに違いない。

 モズレーHCも「2人は本当に仲がいい。ユーモアのセンスが同じらしく、いつも笑い合っているよ」と、彼らの仲睦まじさを明かしている。
 
「モー(モリッツ)がフランツに教えていたりすることもよくあるが、フランツが手を焼かせたりもしていて、“モーはまさに偉大な兄貴”といった感じだ。しかし彼らは2人とも負けず嫌いだよ」

 その兄は「試合が上手くいかなかったり負けたりすると、彼は不機嫌になる。子どもの時からそのままなんだ」と、弟の負けん気の強い一面を暴露している。

 これまでのキャリアパスは同じでも、同時期に被ったことがないため、彼らにとって一緒にプレーするのはこのマジックが最初だ。おかげでベルリンに住む両親は、オーランドで2人の息子の試合をいっぺんに観られるようになったと喜んでいる。

 ドラフトの前夜、兄が言った「(ドラフトの)夜は一度きりしかない。だから、とにかく楽しんで、すべての瞬間を満喫してこい」というアドバイスがとても心に刺さったと、以前フランツは明かしていた。

 モリッツは現在マジックで3番手センターといったところだが、弟フランツの活躍の陰には、常に先陣を切ってきた兄のサポートがある。勝利のリズムを掴めていないマジックだが、兄弟パワーを注入して、後半戦に向けて調子を上げていきたいところだ。

文●小川由紀子

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