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NBA

ウォール、カズンズらケンタッキー大から5人の1巡目指名が誕生した2010年。ただ最大の出世株は……【NBAドラフト史】

大井成義

2019.12.30

9位指名のヘイワードは入団当初は線が細く弱々しかった。しかし、毎年成績をアップさせ、2017年にオールスター初出場を果たした。(C)Getty Images

9位指名のヘイワードは入団当初は線が細く弱々しかった。しかし、毎年成績をアップさせ、2017年にオールスター初出場を果たした。(C)Getty Images

 この日アイリーンが身につけていたラッキーチャーム(アイテム)は、エイブの形見のひとつである1978年のチャンピオンリング。ブレッツ時代、エルビン・ヘイズやウェス・アンセルドを中心に勝ち取った、球団唯一の優勝である。

 直後のインタビューで、アイリーンが語った言葉がとても印象的だった。「夫はここにいると思うわ。本当にいるのよ」。

■上位候補とともに、古豪ケンタッキー大から何人が指名されるかにも注目

 6月24日、ニューヨークはマンハッタンのマディソンスクエア・ガーデン内にあるザ・シアターで2010年のNBAドラフトは行なわれた。全米とカナダの各フランチャイズを巡回して開催された1992~2000年の9年間を除き、ほぼ毎回NBA本部のあるマンハッタンで開催されてきたドラフトだったが、老朽化したガーデンの改修工事に伴い、この年を最後にマンハッタンを離れている。

 工事は2013年に終わったものの、現在の会場となっているブルックリンのバークレイズ・センターでの開催も9年目を迎え、2020年も同会場での開催が決まっている。今後ガーデンに戻る気配はなく、2010年のドラフトはガーデンで行なわれた最後の晴れ舞台ということになる。
 
 ロッタリーから1か月が経過し、1位指名の本命はウォールで揺るがなかったが、それに肉薄していたのがオハイオ州大3年のスウィングマン、エバン・ターナーだった。PG、SG、SFの3つのポジションを難なくこなし、2010年度のドラフトクラスで最もバランスが取れた好選手とされていた。

 ウォールとターナーの2009-10シーズンの個人成績を比較しても、ウォールの平均34.8分、16.6点、6.5アシスト、4.3リバウンドに対し、ターナーは35.7分、20.4点、6.0アシスト、9.2リバウンドと、多くのカテゴリーで上回っている。また、主要個人賞の獲得数も、ウォールの1に対しターナーは6。ごく少数ではあるが、ここに来てターナーの1位指名を予想する声もあった。

 その2人に、デリック・フェイバーズ(ジョージア工科大1年)、デマーカス・カズンズ(ケンタッキー大1年)、ウェスリー・ジョンソン(シラキュース大3年)を加えた5人のトップ5入りが有力視されていた。また、上位指名選手の顔ぶれや指名順位の予想以外に、ケンタッキー大から何人の選手が指名されるかも大きな話題のひとつに。前シーズンのNCAAトーナメントではエリート8で敗退したものの、同大学には将来性豊かな有望選手がひしめいていた。
 

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