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NBA

ウォール、カズンズらケンタッキー大から5人の1巡目指名が誕生した2010年。ただ最大の出世株は……【NBAドラフト史】

大井成義

2019.12.30

5位指名のカズンズはキングスで1年目から主力として活躍し、15年から4年連続で球宴に選出。リーグ屈指のセンターとなったが、近年はケガに泣かされ、存在感が希薄に。(C)Getty Images

5位指名のカズンズはキングスで1年目から主力として活躍し、15年から4年連続で球宴に選出。リーグ屈指のセンターとなったが、近年はケガに泣かされ、存在感が希薄に。(C)Getty Images

■10位でジョージを指名したペイサーズが真の勝者?

 ケンタッキー大といえば、全米最多の勝利数と最高勝率、さらにはUCLAの11回に次ぐ8回の優勝を誇る古豪中の古豪。2009年4月、その名門校に招聘されたエリートHCがジョン・カリパリだった。

 1990年代、万年Cクラスだったマサチューセッツ大を一躍強豪校に仕立て上げたカリパリは、1996年にネッツのHCに大抜擢される。NBAでは満足な結果を残せず、むしろ不甲斐ない印象しか残せなかったものの、名声に致命的な傷が付くことはなく、2000年にカレッジ界に復帰。メンフィス大のHCを経て、2009年に名門ケンタッキー大のHC就任を果たすと、すぐさまウォールやカズンズ、エリック・ブレッドソーといった全米トップクラスの高校生のリクルートに成功する。そして話題性満載のチームを世に送り出し、再び株を上げたのだった。

 この日はドラフト会場にカリパリも駆けつけ、教え子たちの晴れ姿を見守った。1位のウィザーズは予想通りウォールを指名。意外にも、ケンタッキー大から1位指名選手が誕生したのはこれが初めてだった。続いて2位シクサーズはターナー、3位ネッツはフェイバーズ、4位ウルブズはジョンソン、5位キングスはカズンズと、上位5人は事前の予想通りの結果となった。
 
 注目のケンタッキー大からは、1巡目で5人が指名された。1999年のデューク大、2005年のノースカロライナ大、2006年のコネティカット大の4人を抜き、NBAドラフト記録を更新。カレッジバスケットボールの人気が高いアメリカでは大きな出来事として捉えられ、この日の中継でも“歴史が塗り替えられたドラフト”であるとして、アナウンサーや解説者は色めき立っていた。

 ウォールとカズンズに続いて指名されたケンタッキー大の選手は次の通り。14位ロケッツ/パトリック・パターソン(3年)、18位サンダー/ブレッドソー(1年)、29位マジック/ダニエル・オルトン(1年)。

 2010年組からは4人のオールスター選手が誕生している。ウォールとカズンズ、そして9位でジャズに指名されたゴードン・ヘイワード(バトラー大2年)と、10位でペイサーズに指名されたポール・ジョージ(フレズノ州大2年)。
 

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