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NBA

強豪ルイビル大の栄光と没落。過去3度の全米制覇を成し遂げるも、近年はスキャンダルまみれに【名門カレッジ史】

出野哲也

2020.03.24

NBAでもHC経験のある名将ピティーノがチームを統率し、2013年に3度目の優勝。しかし近年はスキャンダルが続き、責任を取る形でピティーノは職を追われた。(C)Getty Images

NBAでもHC経験のある名将ピティーノがチームを統率し、2013年に3度目の優勝。しかし近年はスキャンダルが続き、責任を取る形でピティーノは職を追われた。(C)Getty Images

 1989年、エリソンは学校史上初のドラフト1位指名でキングスに入団する。しかし毎年のようにケガに見舞われ、12年間のキャリアでシーズン全休を含む478試合に欠場。1992年に平均20.0点、11.2リバウンドをあげMIPを受賞したのが唯一の輝きで、ドラ1としては完全に期待外れだった。

 30年間にわたり指揮を執ったクラムは2001年に退任。彼の下でチームは6度ファイナル4に進んだほか、46シーズン連続の勝ち越し(1945~90年)はNCAA記録となっている。

 代わってHCに就任したリック・ピティーノは、前シーズンまでボストン・セルティックスの指揮官を務め、その前にはUKを指導していた大物。2009年にチームを初のAP通信ランキング1位に導き、2013年にはゴーギー・ジェン(メンフィス・グリズリーズ)、モントレズ・ハレル(ロサンゼルス・クリッパーズ)らを擁して3度目の優勝を果たす。準決勝のウィチタ州大戦で20得点、決勝のミシガン大戦でも22得点をあげたルーク・ハンコックは、控え選手として初めてトーナメントMVPに選ばれた。
 
 名門校としての地位を固めたルイビル大だったが、近年は数々のスキャンダルが暴露され、悪い意味で注目を集めてしまっている。2015年10月には有望な高校生を勧誘する一環として、性的な接待が行なわれていたことが発覚。これを受けてNCAAは、2013年の全米制覇を含む2011~15年の成績を抹消する処分を下す。大学側の不服申し立ても覆らず、2018年2月に正式決定された。

 さらに2017年9月には、勧誘のためにシューズメーカーが絡んだ多額の金銭が動いていたことも判明。このスキャンダルに対し、FBIが収賄容疑の捜査を行なうなど、カレッジバスケの規約違反を超え「犯罪」として取り扱われる大事件にまで発展した。

 ルイビル大は責任を取る形でピティーノを解任。世間的な評判は大打撃を被り、成績も振るわなくなっている。在校生はもちろん、OBのミッチェルやハレル、テリー・ロジアー(シャーロット・ホーネッツ)らがさらなる活躍を披露して、少しでも悪いイメージを払拭したい。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2018年5月号掲載原稿に加筆・修正。

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