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NBA

アイザイア・トーマスに加え、変わり種が多く指名された“異色選手の当たり年”。日本人初指名“伝説の巨人”の名も【NBAドラフト史:1981年】

大井成義

2020.04.07

野球で殿堂入りを果たしたグウィンや、NFLで活躍したイーズリーなど、この年のドラフトでは他競技の名選手も指名されていた。(C)Getty Images

野球で殿堂入りを果たしたグウィンや、NFLで活躍したイーズリーなど、この年のドラフトでは他競技の名選手も指名されていた。(C)Getty Images

 1977年のMLBドラフト15巡目389位でブルージェイズ入りしたエインジは、2年間のマイナー生活を経て1979年にメジャー入りを果たす。ブルージェイズの最年少ホームラン記録は、2019年5月にブラディミール・ゲレーロJr.に抜かれるまで(20歳59日)、40年間に渡りエインジが保持していた(20歳77日)。

 現役メジャーリーガーであるエインジが卒業後に選んだ競技は、意外にもバスケットボールだった。当初はブルージェイズと結んでいる契約がネックとなり、NBA入りは難しいと思われていたが、争いは法廷に持ち込まれ、セルティックスがエインジとブルージェイズの契約を買い取る形で決着を見る。

 1979年にラリー・バードが加わり、80年代に黄金期を迎えるセルティックスにとって、突貫小僧キャラのエインジはチームのカンフル剤として欠かせない存在となった。1995年に引退後、サンズのHCやテレビ解説者を経て、2003年に古巣セルティックスのフロント入りを果たす。現在はGM兼バスケットボール部門社長として辣腕を振るっている。
 
 10巡目210位でサンディエゴ(現ロサンゼルス)・クリッパーズに指名されたのが、サンディエゴ州大4年のポイントガード、トニー・グウィン。1980~90年代のMLBを代表する、名選手中の名選手である。アメリカではスポーツファンならずとも、誰もが知っている存在だ。

 NBAとMLB(3巡目58位)の双方からドラフト指名されたグウィンだったが、エインジとは逆に野球を選択。サンディエゴ・パドレスでの20年間に首位打者8回、オールスター選出15回など数々の大記録を打ち立て、引退後6年目にして早々と殿堂入りを果たした。2014年、唾液腺がんにより54歳の若さでこの世を去っている。

 後にNFLのシアトル・シーホークスで活躍したUCLA4年のケニー・イーズリーも、この年のNBAドラフト10巡目216位でブルズから指名された異色アスリートの1人。彼もまたNBAに挑戦せず、他の競技を選択した。ケガやストライキが影響しNFL生活は7年間と短かったものの、5度プロボウルに選出され、2017年に殿堂入りを果たすという輝かしいキャリアを送った。
 
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