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NBA

バード&マクヘイル&パリッシュの”オリジナル・ビッグ3”は失敗の副産物だった?策士アワーバックによって案じられた”奸計”【NBAドラフト史:1980年】

大井成義

2020.03.02

バード(右)、マクヘイル(左)、パリッシュ(中央)の3人が“ビッグ3”のパイオニアだった。(C)Getty Images

バード(右)、マクヘイル(左)、パリッシュ(中央)の3人が“ビッグ3”のパイオニアだった。(C)Getty Images

■希望選手の獲得交渉失敗が、名門に後の栄光をもたらす

“ビッグ3”と呼ばれるスーパートリオの誕生と、その破壊力の凄まじさを、我々はこれまで何度か目にしてきた。

 ビッグ3が結成される経緯は、チームの長期的な計画に基づいたものではなく、往々にして移籍マーケットの情勢やタイミング、運、選手の思惑などに左右され、それゆえ意外性に溢れた3人が集結したりする。

 2007年、ボストン・セルティックスに出現したビッグ3(ポール・ピアース、ケビン・ガーネット、レイ・アレン)の顔ぶれや、10年に結成されたマイアミ・ヒートのビッグ3(レブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュ)の組み合わせなどは、移籍が発表されるまで予測することは不可能だったろう。
 
 NBAでビッグ3という言葉が広く認知されたのは、1980年代に一世を風靡したセルティックスのラリー・バード、ケビン・マクヘイル、ロバート・パリッシュのトリオからとされている。調べてみると、それ以前にも突出した3選手を擁して話題となったり、他を圧倒した3人組はいくつか存在したようだが、もたらした結果や与えたインパクトから、その3人は“オリジナル・ビッグ3”とも言われている。

 その元祖ビッグ3が誕生したきっかけは、80年NBAドラフトに向けてセルティックスが邁進していた、希望選手との獲得交渉に頓挫したことだった。いわば失敗の副産物のようなもの。それが、リーグ史に燦然と輝くスーパートリオへと大化けしたのだから、“ドラフトにまつわる逸話の宝庫”であるセルティックスの本領発揮といったところだろうか。

■リーグ最高成績を残した古豪に1位指名権の幸運が転がり込む

 この年の1位指名権は、古豪セルティックスの手中にあった。直前のシーズンに61勝21敗とリーグ最高成績を収め、プレーオフでもイースタン・カンファレンス・ファイナルまで駒を進めたトップチームが、ほとんど棚ぼたで1位指名権を手に入れたのである。経緯は次の通り。
 
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