では、どうしたら三者のレベルの差は縮まるか、という質問に対しては、マルコム・デラニー(元アトランタ・ホークス)のように「NBAに追いつくリーグはありえない。近づくことさえない」と言い切る選手もいれば、ウィリアムズのように「最近はNBAに所属する4分の1近くの選手がヨーロッパから来ている。それらの選手がヨーロッパに戻ってプレーすると考えたら、両リーグのレベルの差はぐっと縮まるのではないか」と唱える選手もいる。
そもそも、ビジネスとしての熟成度や規模がそれぞれのリーグでまったく違うのだから、比較自体がナンセンスではある。ユーロリーグは各国のクラブの集合リーグであり、選手やコーチのサラリー、設備やマーケティングにかけられる予算もNBAとは桁違いだ。このコロナ禍で、ヨーロッパでは選手のサラリーをカットしたクラブが多いが、NBAでは過去最高を更新する額で契約更改が行なわれていることを、欧州のバスケメディアは畏怖の念とともに報じていた。金銭面だけでなく、施設や身体のケアの面でもNBAの圧倒的優位を強調していた選手が多かった。
このような各リーグの違いを体験することで、選手はより幅のあるプレーヤーに成長でき、セカンドキャリアに生かされる部分も多大にあるだろう。今季中の海外移籍は難しい部分もあるだろうが、今後もよりグローバルなキャリアの選択肢が広がることを期待したい。
文●小川由紀子
そもそも、ビジネスとしての熟成度や規模がそれぞれのリーグでまったく違うのだから、比較自体がナンセンスではある。ユーロリーグは各国のクラブの集合リーグであり、選手やコーチのサラリー、設備やマーケティングにかけられる予算もNBAとは桁違いだ。このコロナ禍で、ヨーロッパでは選手のサラリーをカットしたクラブが多いが、NBAでは過去最高を更新する額で契約更改が行なわれていることを、欧州のバスケメディアは畏怖の念とともに報じていた。金銭面だけでなく、施設や身体のケアの面でもNBAの圧倒的優位を強調していた選手が多かった。
このような各リーグの違いを体験することで、選手はより幅のあるプレーヤーに成長でき、セカンドキャリアに生かされる部分も多大にあるだろう。今季中の海外移籍は難しい部分もあるだろうが、今後もよりグローバルなキャリアの選択肢が広がることを期待したい。
文●小川由紀子