リトアニアやスペインに苦戦したように、今回のアメリカ代表は初代ドリームチームほど対戦国を圧倒したわけではない。しかし、20年前とは比べ物にならないくらい、世界のバスケットボールのレベルは上がっていた。
その状況でこれほどの強さを発揮したのだから、やはりコビーが主張するほどの実力はあったのかもしれない。何よりもこの発言は、彼がこのチームに対するプライドと、メンバーへの愛着を感じていた証でもあった。
「今回の金メダルは、キャリアのなかでトップに入る出来事だった。それくらい大きな達成感がある」と話したコビーは、この大会を最後に「あとはほかの選手たちが引っ張ってくれる」と代表引退を表明。2016年に現役生活にも終止符を打ったが、その後もオリンピックとの関わりは続いており、2028年のロサンゼルス五輪招致活動でも、LAスポーツ界の大物として重要な役割を演じていた。7年後の大会に何らかの形で――もしかしたら、次女ジアナが女子バスケットボールの代表メンバーとして――参加していたかもしれないが、それは叶わぬ望みとなった。
2020年1月26 日に起きたコビーの事故死を受け、IOCのトマス・バッハ会長をはじめ、オリンピック関係者が続々と哀悼の意を表明。7年後の平和の祭典にコビーの姿はない。だが、バスケットボールの会場となるステイプルズ・センターに足を踏み入れた選手たちは例外なく、そこの“主”であった男のことを思い出すだろう。
文●出野哲也(フリーライター)
※『ダンクシュート』2020年4月号原稿に加筆、修正。
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その状況でこれほどの強さを発揮したのだから、やはりコビーが主張するほどの実力はあったのかもしれない。何よりもこの発言は、彼がこのチームに対するプライドと、メンバーへの愛着を感じていた証でもあった。
「今回の金メダルは、キャリアのなかでトップに入る出来事だった。それくらい大きな達成感がある」と話したコビーは、この大会を最後に「あとはほかの選手たちが引っ張ってくれる」と代表引退を表明。2016年に現役生活にも終止符を打ったが、その後もオリンピックとの関わりは続いており、2028年のロサンゼルス五輪招致活動でも、LAスポーツ界の大物として重要な役割を演じていた。7年後の大会に何らかの形で――もしかしたら、次女ジアナが女子バスケットボールの代表メンバーとして――参加していたかもしれないが、それは叶わぬ望みとなった。
2020年1月26 日に起きたコビーの事故死を受け、IOCのトマス・バッハ会長をはじめ、オリンピック関係者が続々と哀悼の意を表明。7年後の平和の祭典にコビーの姿はない。だが、バスケットボールの会場となるステイプルズ・センターに足を踏み入れた選手たちは例外なく、そこの“主”であった男のことを思い出すだろう。
文●出野哲也(フリーライター)
※『ダンクシュート』2020年4月号原稿に加筆、修正。
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