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NBA

コビーが「初代ドリームチームに勝てる」と豪語。数々の新記録を樹立したロンドン五輪アメリカ代表の軌跡【五輪史探訪】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2021.07.07

 リトアニアやスペインに苦戦したように、今回のアメリカ代表は初代ドリームチームほど対戦国を圧倒したわけではない。しかし、20年前とは比べ物にならないくらい、世界のバスケットボールのレベルは上がっていた。

 その状況でこれほどの強さを発揮したのだから、やはりコビーが主張するほどの実力はあったのかもしれない。何よりもこの発言は、彼がこのチームに対するプライドと、メンバーへの愛着を感じていた証でもあった。

「今回の金メダルは、キャリアのなかでトップに入る出来事だった。それくらい大きな達成感がある」と話したコビーは、この大会を最後に「あとはほかの選手たちが引っ張ってくれる」と代表引退を表明。2016年に現役生活にも終止符を打ったが、その後もオリンピックとの関わりは続いており、2028年のロサンゼルス五輪招致活動でも、LAスポーツ界の大物として重要な役割を演じていた。7年後の大会に何らかの形で――もしかしたら、次女ジアナが女子バスケットボールの代表メンバーとして――参加していたかもしれないが、それは叶わぬ望みとなった。
 
 2020年1月26 日に起きたコビーの事故死を受け、IOCのトマス・バッハ会長をはじめ、オリンピック関係者が続々と哀悼の意を表明。7年後の平和の祭典にコビーの姿はない。だが、バスケットボールの会場となるステイプルズ・センターに足を踏み入れた選手たちは例外なく、そこの“主”であった男のことを思い出すだろう。

文●出野哲也(フリーライター)

※『ダンクシュート』2020年4月号原稿に加筆、修正。

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