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バード&マクヘイル&パリッシュの”オリジナル・ビッグ3”は失敗の副産物だった?策士アワーバックによって案じられた”奸計”【NBAドラフト史:1980年】

大井成義

2020.03.02

「明日の3位指名の後、君はセルティックだ」というアワーバックからの一本の電話を、マクヘイルは今でも鮮明に覚えているという。(C)Getty Images

「明日の3位指名の後、君はセルティックだ」というアワーバックからの一本の電話を、マクヘイルは今でも鮮明に覚えているという。(C)Getty Images

 事前の予想通り、1位指名権をトレードで獲得したウォリアーズはキャロルを、ジャズは2位でグリフィスを指名。続いてセルティックスが、満を持してマクヘイルを指名する。古豪セルティックスに新たな時代をもたらすことになる、元祖ビッグ3が誕生した瞬間だった。

 そしてアワーバックの描いた青写真通り、適材適所のタレントが揃った新生セルティクスは迎えたシーズンに快進撃を続け、リーグ首位の座を獲得。プレーオフも順当に勝ち上がり、元祖ビッグ3結成1年目にして見事優勝を果たしたのである。
 
 一方、アワーバックのお眼鏡に叶わなかったキャロルは、彼の読み通りの結果に終わり、今では外れドラ1の1人にカテゴライズされている。“Just Barely Carroll(ギリギリ、スレスレのキャロル)”という微妙なニックネームを付けられ、6シーズンをウォリアーズで過ごした後(途中1年間イタリアでプレー)、4年間で4チームを渡り歩いた。ウォリアーズが敢行したトレードは、“史上最悪のトレードのひとつ”とされている。

 それでも、キャロルは10年間のキャリアの多くを先発でプレーし、残した数字は平均17.7点、7.7リバウンドと、決して悲惨なものではない。キャロルに外れのイメージが付きまとった最大の原因、それは同期の3位指名選手マクヘイルが、元祖ビッグ3の1人として赫々たる実績を残したからに他ならない。

 ボストン・セルティックスというリーグきっての名門チームの一員として、優勝3回、ファイナル出場5回、オールスター出場7回、シックスマン賞にも2度選出。背番号32はセルティックスの永久欠番となり、“NBA偉大な選手50人”に選ばれ、99年には殿堂入りも果たしている。

 それら栄光の始まりは、ドラフト前日にマクヘイルの元へかかってきた1本の電話だった。豪胆な名伯楽から突然告げられた驚きの言葉を、マクヘイルは今でも鮮明に覚えているという。

「明日の3位指名の後、君はセルティックだ」

文●大井成義

※『ダンクシュート』2018年9月号掲載原稿に加筆・修正。

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