ペニーにとっても、怪物シャックとのプレーはすこぶる魅力的であり、PGの層が薄いマジックでより多くの出場機会を得るため、さらにはチャンピオンリング獲得のチャンスを得るためにも、是が非でもマジックでプレーしたいと考えていた。2度目のワークアウトに「決死の覚悟で臨んだ」と、後にペニーは回想している。
一方、3位指名権を持つウォリアーズは、ビッグマンの獲得を切望していた。ティム・ハーダウェイやラトレル・スプリーウェルなど、バックコートには能力の高い選手が揃いつつある。そこに有能なビッグマンが加われば、一躍強豪チームの仲間入りを果たすことも可能だ。HC兼GMのドン・ネルソンは、ロッタリー終了直後からウェバーもしくはブラッドリーの獲得に向け、あらゆる手を尽くしていた。
マジックのパット・ウィリアムズGMとも1か月近く話し合った。そしてドラフト直前、マジック側と条件の折り合いが付き、晴れて合意に達する。ペニーに将来のドラフト1巡目指名権3つを付けるという大盤振る舞いだった。マジックは翌年からの7年間で、計11個の1巡目指名権を手にすることになる。
ドラフト当日、シャックは自宅のテレビで事の成り行きを見守っていた。トレードの計画を知らされていなかった彼は、マジックがウェバーを指名したことに狼狽し、怒り狂ったという。ただしその怒りも、30分後には笑顔に変わった。ドラフト会場では、トレードの発表に満足気に何度も頷くペニーの姿が、テレビカメラに捉えられている。
圧倒的な人気を誇るウェバーを手放したことに、旧オーランド・アリーナに集ってドラフトの様子を見守っていたマジック・ファンは失望し、ブーイングの嵐が吹き荒れた。だがそれも、シャック&ペニーの凄まじい破壊力を一目見た瞬間から希望へと変わり、2年後に球団初となるファイナル進出を果たす頃には、熱狂へと変わっていた。
トレード終了後、ガブリエルはウィリアムズGMに対し、ペニーのほかにどうやって1巡目指名権を3つも獲得することができたのか尋ねたそうだ。ウィリアムズの答えは、「6つ要求したよ」だった。
文●大井成義
※『ダンクシュート』2016年7月号掲載原稿に加筆・修正。
一方、3位指名権を持つウォリアーズは、ビッグマンの獲得を切望していた。ティム・ハーダウェイやラトレル・スプリーウェルなど、バックコートには能力の高い選手が揃いつつある。そこに有能なビッグマンが加われば、一躍強豪チームの仲間入りを果たすことも可能だ。HC兼GMのドン・ネルソンは、ロッタリー終了直後からウェバーもしくはブラッドリーの獲得に向け、あらゆる手を尽くしていた。
マジックのパット・ウィリアムズGMとも1か月近く話し合った。そしてドラフト直前、マジック側と条件の折り合いが付き、晴れて合意に達する。ペニーに将来のドラフト1巡目指名権3つを付けるという大盤振る舞いだった。マジックは翌年からの7年間で、計11個の1巡目指名権を手にすることになる。
ドラフト当日、シャックは自宅のテレビで事の成り行きを見守っていた。トレードの計画を知らされていなかった彼は、マジックがウェバーを指名したことに狼狽し、怒り狂ったという。ただしその怒りも、30分後には笑顔に変わった。ドラフト会場では、トレードの発表に満足気に何度も頷くペニーの姿が、テレビカメラに捉えられている。
圧倒的な人気を誇るウェバーを手放したことに、旧オーランド・アリーナに集ってドラフトの様子を見守っていたマジック・ファンは失望し、ブーイングの嵐が吹き荒れた。だがそれも、シャック&ペニーの凄まじい破壊力を一目見た瞬間から希望へと変わり、2年後に球団初となるファイナル進出を果たす頃には、熱狂へと変わっていた。
トレード終了後、ガブリエルはウィリアムズGMに対し、ペニーのほかにどうやって1巡目指名権を3つも獲得することができたのか尋ねたそうだ。ウィリアムズの答えは、「6つ要求したよ」だった。
文●大井成義
※『ダンクシュート』2016年7月号掲載原稿に加筆・修正。