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Jリーグ・国内

「雑草魂」でJ1へ辿り着いた新鋭ドリブラー。坂元達裕が語るプロ1年目で結果を残せた理由【独占インタビュー後編】

多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

2020.03.23

得意のドリブルを武器にレギュラー定着を目指す坂元。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

得意のドリブルを武器にレギュラー定着を目指す坂元。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 昨年は大卒1年目ながらJ2の山形で42試合・7得点と活躍し、今年はJ1のC大阪へとスピード出世を果たした坂元達裕も、エリート街道を歩んできたわけではない。スランプに陥っていた中学時代、チームを引っ張る責任感に押し潰されそうになった大学時代と、挫折を繰り返して逞しく成長し、いつしか逆境を楽しめる強さを手に入れた。そんな雑草魂のドリブラーがJ1の舞台でさらなる飛躍を遂げようとしている。

■前橋育英高でその人に出会って、見える世界が変わった。

――最近真似しようと思った選手、プレーは?

「キヨ(清武弘嗣)くんのスルーパスとか、(柿谷)曜一朗くんのトラップとか、たくさんです。あのふたりは、普通の人ではできないようなプレーを平気でやってしまう。僕もそんなプレーをしてみたいものです」

――では海外で参考にしている選手や、小さい頃から憧れている選手はいますか?

「そんなに海外サッカーは観ていないんですけど、中学生の時から香川真司選手(現サラゴサ)に憧れていました。ドリブルもめちゃくちゃ上手いですし、ボールタッチ、シュートまでの流れとかもすごくスムーズ。こんなふうになりたいなって観ていました」
 
――当時、坂元選手はどんなプレースタイルでしたか? やはり香川選手のようなテクニシャン?

「いえ、ひたすら裏に走って、守備になったらガムシャラにボールを追いかけるようなFWでした。小学生の時にはドリブル小僧だったんですけど、どんどん他の人と体格に差が出てきて、身体の大きい相手をかわせなくなっていって……それで抜け出しばかりを狙うようなタイプに。ドリブラーとしての壁にぶち当たったというか、ちょうど挫折していた頃です」

――そんな時期があったとは。意外です。

「しかも結局そのガムシャラなスタイルにも限界を痛感していて。中学の時は自分を見失っていて、もう完全なスランプ状態でした」

――そのスランプをどう抜け出したのですか?

「前橋育英高で北村(仁)コーチに出会えたのが大きかったです。ドリブルについて丁寧に指導してくれる人で、高1の頃から親身に相談に乗ってもらったんです。その時に『お前には技術がある。落ち着いて周りを見ろ。相手を引き付けてドリブルできるようになったら、どこまでもいけるぞ』って言ってもらえて。その人に出会って、見える世界が変わりました」

――それから再びドリブルを磨くように?

「そうです。それから高2、高3になって急激に考え方が変わっていきました」
 

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