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海外サッカー

インテルとナポリによる61年ぶりの「優勝決定プレーオフ」実現の可能性に多くの注目が! 英国では下部リーグ最終節が“6チーム”での王者決定戦に!?

THE DIGEST編集部

2025.04.24

インテル(右)の独走かと思われたセリエAの優勝レースだが、残り5試合の時点でナポリ(左)が追いつくスリリングな展開に。(C)Getty Images

インテル(右)の独走かと思われたセリエAの優勝レースだが、残り5試合の時点でナポリ(左)が追いつくスリリングな展開に。(C)Getty Images

 現地時間4月20日に行なわれたセリエA第33節のボローニャ対インテル戦は、両者スコアレスのままドロー決着に終わると思われたが、後半アディショナルタイムにリッカルド・オルソリーニの見事なバイシクルシュートが炸裂し、ホームのボローニャが土壇場で勝点3を奪って4位の座を守った。

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 逆に首位インテルの手からは勝点1がこぼれ落ち、通算勝点は71のまま。2位ナポリがモンツァを1-0で下したことで、ついに勝点で並ばれた。得失点差ではインテルが40、ナポリが27と大きな開きがあるが、セリエAの規定では順位を決定するのは勝点だけであり、もしこのまま両チームが同勝点で全日程を終えた場合には、一発勝負のプレーオフで雌雄を決することになる。

 この方式は2004-05シーズンを最後に一度は廃止されたものの、一昨季に復活。過去にこれが実施されたのは1963-64シーズンのみで、勝点54で並んだのはボローニャとインテル。そして中立地ローマ・オリンピコでの決戦を2-0で制したのはボローニャだった。インテルの偉大なDFジャチント・ファッケッティのオウンゴールと、同シーズンのリーグ得点王となったデンマーク人FWのハラルド・ニールセンによるダメ押しの勝利で、ボローニャにとってはこれが最後のスクデット(通算7回)となっている。

 このエピソードにはイタリア国外のメディアも注目し、英国の日刊紙『The Guardian』は「(61年前の)亡霊がこの週末、レナト・ダッラーラでの試合で両チームに取り憑いていたのだろうか? あるいは単にインテルの出来が悪かっただけか?」と試合レポートで綴ったが、プレーオフの可能性については「中立のサッカーファンにとっては、これはたまらない展開だ」と見解を示した。

 今回、もし優勝決定戦が行なわれることになった場合、得失点差、総得点の順で多い方のチームのホームスタジアムが会場になるが、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』によれば、安全上の問題がある場合には中立地としてコッパ・イタリア開催地(今季はローマ・オリンピコ)が採用されるという。日時は代表ウィーク等との兼ね合いから5月最終週での開催が濃厚だが、インテルはチャンピオンズリーグ決勝(5月31日)進出の可能性を残しており、現時点では未定である。
 
『The Guardian』紙は、両チームの「プレーオフまでの」残り5試合にも言及。「ナポリの方がより楽な日程を残している。残る相手で最も順位が高いのは10位のトリノ。一方で、残留を争うレッチェやパルマでのアウェーマッチは、彼らにとって落とし穴となる可能性もある。ナポリはモンツァ戦まで、3か月間もアウェーでの勝利がなかった」と展望を示し、以下のように続けた。

「インテルはローマの両クラブとの対戦が残っているが、いずれもホームでの試合だ。シモーネ・インザーギ監督にとっての最大の懸念は、『疲労こそが命取りになる』ことだ。彼がボローニャ戦後に改めて言ったように、スクデット争いはまだ終わっていない。むしろこれから、本当のクライマックスを迎えるのだ」

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』も、セリエAの結末に関心を示し、「一時はインテルが21回目の優勝に向けて独走かと思われたが、あと5試合となったところで、プレーオフ決着という史上最高の結末が訪れるかもしれない」と報じ、首位チームのボローニャ戦での敗北についてはやはり「これは不吉な前兆か?」と、過去の因縁と結びつけている。

 同メディアはまた、セリエA同様に現在、熾烈な優勝争いを展開している欧州各国リーグとして、守田英正擁する首位スポルティングと2位ベンフィカが勝点72で並んでいる「リーガ・ポルトガル」(残り4節)、首位リエカと2位ハイデュク・スプリトが同勝点(56)のクロアチア「HNL」(残り6節)、首位フェレンツバロシュと2位プスカシュ・アカデミーとの勝点差がわずか3のハンガリー「OTPバンク・リーガ」(残り5試合)を紹介した。

 ちなみにトップリーグ以外では、イングランドのチャンピオンシップ(2部)で、ともに来季のプレミアリーグ昇格が決定した首位リーズと2位バーンリーが勝点94で並んでおり、残り2節でデッドヒートを繰り広げることになるが、同メディアは同国の6部リーグに該当する「ナショナル・リーグ・サウス」に焦点を当て、残り1節で首位トゥルーロ・シティから6位ドーキング・ワンダラーズまでが勝点3差という究極の大混戦であることを伝えている。

構成●THE DIGEST編集部

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