レアル・マドリーは27日、カスティージャ（Bチーム）を率いるラウール・ゴンサレス監督の今シーズン限りでの退任を発表した。

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　ラウールは2015年にニューヨーク・コスモスで現役を引退。2018年にマドリーに復帰し、カデテB（U-15）とフベニールB（U-18）を１年ずつ指導した後、2019年にカスティージャの監督に就任した。６年間にわたってチームを率い、通算209試合を指揮。『AS』紙によれば、これはクラブ史上２番目に多い記録だという。

　この間、ラウールにはビジャレアルやリーズ・ユナイテッド、古巣のシャルケなどから監督のオファーが届いていたが、彼はすべて断っている。理由は明快で、「マドリーのトップチーム昇格への最短ルートはクラブ内部にとどまること」と考えていたからだ。

　1994年に17歳のラウールをトップチームにデビューさせたホルヘ・バルダーノ氏は、2019年10月に『エル・パイス』紙のコラムでこう語っている。
  「ラウールはマドリーのアイデンティティーそのもの。いつかバルセロナにおけるジョゼップ・グアルディオラや、アトレティコにおけるディエゴ・シメオネのような存在になるはずだ」

　実際、ジネディーヌ・ジダンが2021年にマドリーの監督を退任した際も、後任候補としてラウールの名が挙がった。しかし結局はカルロ・アンチェロッティが就任し、その後の４シーズンを続投。ラウールはその次のチャンスを待ち続けていた。

　ラウールは在任中、ニコ・パス（現コモ）、ラファ・マリン（ナポリ）、ミゲル・グティエレス（ジローナ）、セルヒオ・アリバス（アルメリア）らをトップチームに送り出した。2022-23シーズンには、あと６分守り切れば２部昇格というところまで迫った。

　選手の入れ替わりが激しいメガクラブのBチームという環境で、育成と結果の両立を成し遂げた功績は小さくない。ただ、フリージャーナリストのサンティアゴ・セグロラ氏は、「クラブはラウールとその周辺で起きていることに対して、一貫して沈黙を保ち続けた」と指摘。両者の間には、常に距離が存在していた。