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欧州王者のお株を奪う戦い方でクラブW杯を制したチェルシーに賛辞! 「相手を無力化するのに何が必要かを正確に読み取った」

THE DIGEST編集部

2025.07.15

2ゴール・1アシストと全得点に絡む活躍を見せたパーマー(10番)は大会MVPに選出された。(C)Getty Images

 現地時間7月13日に行なわれたFIFAクラブワールドカップ決勝で、チェルシーはパリ・サンジェルマンを3-0で下し、2021年以来2度目の世界一クラブの栄誉を手にした。

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 1か月にわたるビッグトーナメントのラストマッチは、前半で趨勢が決した。22分に速攻からマロ・ギュストが右サイドでのボールキープを経て中央に折り返すと、コール・パーマーが正確にゴール左隅へ流し込んでチェルシーが先制。30分には、そのパーマーが右からのカットインで再び左足のシュートを炸裂させ、さらに43分にはパーマーのスルーパスを受けたジョアン・ペドロがダイレクトで決め、チームを勝利に導いた。

 チャンピオンズリーグ決勝(インテル戦/5-0)や今大会のインテル・マイアミ戦、レアル・マドリー戦(いずれも4-0)などで早い時間帯で大量得点を奪って早々に勝負を決したパリSGに対して、相手のお株を奪うような展開で試合を有利に進めたプレミアリーグの雄は、カンファレンスリーグに続いて今季2つ目の国際タイトルを獲得。今大会の大きな注目ポイントのひとつだった賞金額は、1億1520万ドル(約169億円)に達している(ブラジルの総合サイト『Globo』より)。
 
 メットライフ・スタジアムのピッチでチェルシーが披露したプレーに対して、『Globo』は「チェルシーの歴史的な優勝は、その内容の衝撃により、さらに特別な意味を持つこととなった。地球上で最も注目されたクラブと言っても過言ではないパリSGを圧倒しての勝利」「チェルシーファンの中で最も楽観的な者でも、前半だけで3点リードするなどとは夢にも思わなかったことだろう。しかし、それが現実に起こった。しかも、ほとんど予想不可能な展開で」と、驚きをもって伝えた。

「パリSGは今季、ハイテンポな試合運び、ボール支配力、ほぼ完璧な攻撃システムで相手を圧倒してきたが、この日は完全に封じ込められた。しかし、これはチェルシーが守備的に戦ったからではない。むしろ逆で、普段パリSGがやっているような戦い方をそのまま彼らに仕掛け、攻撃時には高い技術と連係を見せた。また守備では、徹底的なマンマークを高い位置から仕掛け、相手が得意とする中盤からの飛び出しにも鋭く反応し、組織的かつ知的にプレー。パリの選手たちは、ロンドン勢の激しさと統率の取れた戦術に驚かされたはずだ」

 一方、スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、全ゴールに絡んで大会MVPに選定されたパーマーを「並外れた才能を発揮した」、また中盤でパーマーやギュストらを活かし、守備でも効果的なプレーを見せて決勝のキーマンのひとりとなったリース・ジェームズを「チームが必要な時に、必要なものを提供できる」と絶賛したが、同時にこの戦い方をチームに授けた指揮官への言及も忘れなかった。
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加入からわずか2週間にも満たないジョアン・ペドロをストライカーとして起用