５年前からクラブの会長を務めるアレッサンドロ・マスによれば、今回のトビアスとの「縁」は、スポーツディレクターに就任したばかりのシモーネ・クインティエーリと、デル・ピエロ家との関係がきっかけとなった。クインティエーリは、トビアスがヘタフェでプレーしていた頃から彼を知っており、その後、トリノでの初めての会談を経て、関係が本格化したのだという。

　デル・ピエロの大ファンだったという52歳のマス会長は、「私にとって、アレッサンドロはアイドルだった。選手としてだけでなく、人間性にも魅力を感じていた。我々は今回、彼にサンレメーゼのプロジェクトをあらゆる面から説明した。彼は以前からサンレメーゼのことを調べており、我々が真剣なクラブであると理解してくれたことから、正式な交渉が始まった」と明かした。

「若い選手をトップチームに上げるには、一定以上のレベルが必要だ」と語るマス会長は、「我々は名前ではなく、選手個人の実力を見る」と、実力重視であることを強調したが、「とはいえ、もしその選手が“デル・ピエロ”という名前であれば、もちろん嬉しい」とも語っている。
  「このプロジェクトに“話題作り”の意図は全くなかった。そうであれば、逆に我々にとってはマイナスだっただろう。デル・ピエロが我々に対する評価を調べた際、過去にサンレメーゼでプレーした選手たちが『信頼できる』と証言してくれた。彼らは今や、我々のスポンサーにもなってくれており、本当に感謝している」

　ジョルカエフ・ジュニアとの繋がりも、クインティエーリSDの存在によって実現したということで、18歳のCFロレンツォ・デル・ピエロ（デル・ピエロの兄ステファンの息子）を追っている際、そのレーダー網に引っかかったオアンについて、マス会長は「年齢は上だが、戦力として差をつけられる選手だ」と期待を寄せた。

構成●THE DIGEST編集部

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